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必要十分であること

人は良さそうなものがあると、あれもこれも欲しくなる。

でも、自分には、あれもこれも要るのだろうか。そう思うようになったのは社会人になって数年が経ってからだったように思う。

社会人になり、自由に使えるお金が増え、自分に合うものは何なのか、色々な物を買い回っていた時期があった。それがひと段落したのは自転車を買い、方向性が決まり、必要な物を買い揃えたあたりから。

自分の人生において、本当に欲しいもの(自転車ではなくて、自転車で走ることを楽しむことが中心にある生活)がわかった事で、取捨選択ができるようになった。

「本当に欲しいもの以外はいらない」という言葉は今でも片付けをしている時に思い出す。ドミニック・ローホーさんの本で見つけた言葉だったと思う。

本当に欲しいものがわかっていると、見通しが立つ。迷いが無くなるから物理的にも精神的にもすっきりとした快適な状態になっていく。空を流れる雲がゆっくりと形を変えていくように、自分が求めるものも年を経るごとに変化していくけれど、30歳を越えると自分のあり方はそう大きくは変わらない気がする。

しかし、子どもが生まれると、どこからか風が吹いてきて、雲がぐぐっと形を変えるように考えが揺り動かされた。今まで自分なりにシンプルに物事を捉え、自分の気持ちに正直に判断できるようになってきていたのに、子育てをしていると、なんだか焦る気持ちがわいてしまう。

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