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2023年7月14日 ゼミ1期生の春夏学期が終わりました。

横尾です。
2023年4月に立ち上げた横尾ゼミの最初の春夏学期が(たぶん無事に)終わりました。
今日の最後のゼミでは、統計ソフトウェアStataを使って、国内14地点の過去150年間の平均気温の推移の折れ線グラフの作成を演習しました。

2年生の方に「ゼミの様子を知りたい」などと言ってもらったし、いい区切りなのでこの3か月半のゼミの様子を、淡々とですがリストアップしていきます。

2023年春夏学期のゼミ内容リスト


4月14日(金)顔合わせ、横尾の他己紹介、日本の人口・日本企業の時価について

この日がゼミの初日でした。
教員について知っていることは?とゼミ生に聞くところから始まり、横尾自身の自己紹介をしました。
次回はゼミ生の自己紹介をCanvaで作成したスライドを使ってしてもらうことにしました。
最後に、環境経済学とは一見関係がなさそうですが、「日本の人口ピラミッドと出生者数の推移」、「世帯所得の推移」、「日本企業の国際的地位」などについてウェブ上の情報を共有しつつ、意見交換をしました。

この日のことはこちらの記事もどうぞ:

4月21日(金)ゼミ1期生の自己紹介プレゼン、記念撮影

この日はゼミ生14人の自己紹介回でした。
全員が参加できてよかったです。
ゼミ生のキャラが立っていて、横尾は驚きました。
ゼミ後に図書館前で記念撮影をしました。

4月28日(金)科学的な将来予測、気候変動の予測、気候変動の影響、スキルとは?

この日は「気候変動」についての情報を事前にリストで共有し、それをゼミ生が読んできて意見交換をしました。
また、関連して「科学的な将来予測」というものについての情報共有と意見交換もしました。
最後に、「スキル」という言葉について横尾の私見を共有しました。

5月2日(金)ゼミ構想の議論、環境経済学とは、Overleafの利用開始

この日はまず、「ゼミで何をしたいか?」をゼミ生全員が一言ずつ述べました。
その後、「環境経済学とは」について横尾がプレゼンしました。
その内容はこちら:

また、Overleafというウェブサービスを使って、LaTeXというシステムで数式を文書化・スライド化する練習を開始しました。

5月12日(金)ミクロ経済学理論の応用による環境政策のデザインについて、ゼミで何をするかの議論つづき

この日は、多様な「環境政策の手段」を紹介した上で、それらをミクロ経済学理論を応用することで、数理モデルで表現し、デザインするという研究分野を紹介しました。

典型的な例としては、環境問題を外部不経済として定式化し、「環境税」のアイデアを数理モデルに落とし込む作業です。
最適化税理論の応用とも言えます。

また、先週話し合った「ゼミで何をするか?」の議論のつづきを行いました。
その上で、横尾からこのnoteをはじめる提案のつづきをして、具体化を始めました。
また、ゼミの連絡手段としてDiscordを用いることが決まり、サーバーを立ち上げました。

5月19日(金)気候変動とClimateTechとは?

この日は、イノベーションで気候変動に取り組むアプローチについて事前に共有したリストの情報を見ながら意見交換をしました。

ビル・ゲイツ氏のベンチャー・キャピタルによる取り組みなどの情報を見ながら、それぞれの意見を出し合いました。

5月26日(金)高祖さんがプロジェクトを紹介、「環境経済学をつかうシゴト/つくるシゴト」特集

この日はゼミ生の高祖さんによる発表から始まりました。
高祖さんが参加していたGreen Innovator Academyの紹介と、そこで知り合ったメンバーで「水素社会の実現を目指して」活動しているHydrogen to X の紹介をしてくれました。

その後は事前に共有した「環境経済学をつかうシゴト」のリストを見ながら、ゼミ生から横尾への質問タイムを持ちました。

なお、「環境経済学をつかうシゴト」としては、

  • 政策立案機関(主に省庁)

  • 政策コンサル(シンクタンク)

  • 経営コンサル・戦略コンサル

  • ベンチャー・キャピタルをはじめとした投資会社

  • 総合商社

を紹介しました。
また、「環境経済学をつくるシゴト」としての研究機関や大学での研究者職についての情報共有もしました。
横尾が客員研究員を務める国立環境研究所の「研究者インタビュー」のページを共有しました。

6月2日(金)横尾がアメリカ環境資源・経済学会出張で不在のためゼミはお休み

この週は下記で横尾が不在だったためにゼミはお休みとなりました。

6月9日(金)教科書1章2章を読む回

このゼミ1期生にとっての教科書としてこちらを選定しています。
この教科書を1年ないしは1年半かけて読んでいく計画です。

この日は久保さんと角野さんが分担して2章の解説をしてくれ、それに横尾が補足しました。
二人ともOverleafでスライドを作成して2章の内容をまとめてくれました。

6月16日(金)Stataの演習その1、横尾のPJ紹介「アジア編」、グループワークの検討

この日はまず、横尾がアジアで実施してきた研究プロジェクトについて情報を共有しました。
特に、インドネシアでの廃棄物管理政策のプロジェクトについて紹介しました。
事前共有リストを見ながら、ゼミ生が横尾に質問をしていきました。

さて、このゼミ1期生では統計学的因果推論(CI: Causal Inference)の基礎を理解し、それに基づくデータ分析を身に着けることを一つの目標としています。
そのために、Stataという統計ソフトの操作を身に着けることとしました。
筆者の認識では、このStataは統計学的因果推論に最も適したソフトウェアです。(逆に言うと因果推論以外のデータ・サイエンスにはもっと適した言語やソフトがあるとの認識です。)

そこで、この日からはStataの演習を開始しています。
また、幅広いデータ・サイエンスの中における計量経済学や統計学的因果推論の位置づけについても共有しました。

6月23日(金)Stataの演習その2、グループワークについて意見交換

この日も先週に続いて、Stataの演習を行いました。
計量経済学の英語の入門的教科書として筆者がおすすめするJeffrey Wooldridgeの教科書で演習に用いられているBWGHTのデータを使ってソフトウェア操作を学んでいきます。
このデータは1980年代のアメリカで収集された「お母さんの妊娠時の喫煙本数と生まれてきた赤ちゃんの出生時体重」のデータセットです。
統計学的因果推論を身に着けるにはうってつけの題材です。

また、一部のゼミ生から「グループ・ワークをしてみたい」という意見があり、それについてゼミ全体で意見交換をしました。

6月30日(金)Stataの演習その3、グループワークについて

この日もStataの演習を行いました。
まずはBWGHTデータを使ってグラフを描けるようにしています。

また、ここまで議論していたグループ・ワークについて、「航空産業の脱炭素」をテーマに一部のゼミ生でプロジェクトを立ち上げることが決まりました。

7月7日(金)政府の予算事業のプロセス、横尾のPJ紹介「エネ庁と環境省編」、Stataの演習その4、メンタルヘルス管理について

この日はまず、各省庁の予算事業の立案から概算要求を経て政策が実施されるプロセスについて情報共有しました。
事前に共有した各省庁の重点施策のリストを見ながら、意見交換をしました。
また、経済産業省の委託調査報告書一覧を眺めながら、政府が行う調査事業やそれを受託し実施する政策コンサルのシゴトについて共有しました。

次に、これまで横尾が参画してきた資源・エネルギー庁や環境省の委託調査事業について情報共有をしました。

また、Stataの演習も継続しました。
最後に、横尾からメンタルヘルス管理についてコメントしました。

7月14日(金)Stataの演習その5、春夏学期振り返り

この日、今日が春夏学期の最後のゼミでした。
これまではBWGHTデータという横断面データのグラフ作成をやってきたのですが、この日は日本の各都市の過去150年ほどの平均気温データを用いて、時系列データのグラフ作成に取り組みました。
14人がそれぞれ選んだ地点の平均気温の折れ線グラフをStataで作成しました。
下記はお手本とした東京の平均気温推移です。
驚くほどの右肩上がりですね。

東京の日平均気温の年平均値の推移
データソースは気象庁のこちら

その後、夏休みの課題の話などをしました。
最後に、ここまでの春夏学期を振り返って、全員から一言ずつ印象や感想を述べてもらいました。

以上でこの春夏学期のゼミの内容紹介を終わりです。

秋冬学期は9月15日にスタートです。

2023年7月 横尾



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