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SEEPSキャンプ「はじまりの話」#2

一橋の横尾です。
私は2020年4月から環境経済・政策学会(SEEPS)の理事をさせてもらっており、学会事業の「SEEPSキャンプ」の運営に携わりました。
その立ち上げ時の経緯を3回に分けて書き残すことにしました。
今回はその第2回です。
前回第1回の記事はこちら:

SEEPSキャンプ「はじまりの話」#2


2020年4月:SEEPS理事会の新体制発足

「若手による環境社会科学ワークショップ」は中止となりました。
中止の判断は難しかったです。
当時は2月上旬にダイヤモンド・プリンセス号での新型コロナ感染が発覚し、4月7日に7都府県に対して緊急事態宣言が発出されたという時期。
3月18日開催予定で、せいぜい数十人参加のイベントであれば、当時の政府要請を考慮しても開催可能でした。
しかし、田中さんと石村さんと3月2日に話し合って中止を決断、6日には中止を発表しました。
4か月以上かけて準備をして来ただけにとても無念でした。

しかしこの間、二つの変化がありました。

一つ目の変化は…年度末のSEEPS役員選挙の結果、私が理事に選出されました。
田中さんが暗躍したと信じています。「はめられた」と思いました。
ただ、今後、若手向けの企画をするならSEEPSの公式事業としてやる選択肢が出来たなと思いました。自分が理事会で提案できる選択肢を持ったからです。

二つ目の変化もSEEPSの役員選挙結果ですが、同じタイミングで竹内先生が常務理事に選出されました。
SEEPS理事は35人いますが、そのうち1人が会長、8人ほどが「常務理事」、残りが私のような理事となります。
竹内先生は2020年度から常務理事として「新企画担当」を任命されました。
これはSEEPSの予算を使って「新企画」を行うことが期待される役割でした。
そして、竹内先生は「若手育成」や「新会員を増やすための新事業」を立ち上げるというお考えでした。
「若手による環境社会科学ワークショップ」が中止になってほどなくして、竹内先生から連絡があり、その新事業の企画案を練る相談を受けました。

環境経済・政策学を志す院生・PDを対象に合宿形式の新事業を

竹内先生にはいくつかのビジョンがありました。
私たちが企画していた研究発表会的なWSの登壇者よりも、若い層、すなわち院生やポスドク(PD)研究員が参加できる企画。
まだ研究成果の無い人も参加できる企画。
留学生も参加できるような企画。
そして、一泊二日くらいの合宿形式で親睦を深めてもらうのが一案。
その旅費をすべて学会が助成するというのが竹内先生の構想でした。

「環境経済・政策学を志す院生・PDを対象に合宿形式の新事業を立ち上げる」
これがSEEPSキャンプの原型アイデアでした。
竹内先生からの正式な依頼を受けて、2020年9月の年次大会・理事会に向けて、この年の4月から7月に私と竹内先生で企画書を作成することになりました。
きっとコロナ禍が数か月で終わるだろうと思い、初回「合宿」の時期は2021年3月頃と設定しました。

考えるべきことは山ほどありました。
どんな条件を設けて何人を招くか。どこで合宿をするか。
何をしてもらうか。学会側としては何を用意してもてなすか。
どう公募し、どう選出するか。そもそも選考するのか、応募者全員の参加を認めるのか。
何を応募書類として要求するか、スケジュールは、などなど。

企画書を作成し、常務理事にお見せし、理事会でプレゼンする準備をしつつ、並行して「実行委員」を探す作業も進めました。
幻となってしまったWSの企画を一緒にしていた石村さんにまずお願いしました。
あのWS企画を準備していた気持ちを共有できる石村さんに引き受けてもらえたのは大きかったです。
その後、野村久子さん(九州大学)と松本健一さん(現・東洋大学)にも頼んで快諾してもらいました。

オンラインで合宿という謎の新事業「SEEPSキャンプ」の誕生

さて、夏が来てもコロナ禍が終わるめどは見えず、2020年9月の年次大会もオンラインになり、この年度中に対面のイベントは難しいという雰囲気が漂っていました。
その結果、この初年度はいきなり「オンラインで合宿」という謎の企画書となりました。
これはこれで企画と準備の心理的なハードルが高かったです。
そんな意味不明な新企画に応募してくれる院生・若手がいるのだろうか。
仮にいたとして、会ったことも無い10人をオンラインで集めて、盛り上げられるのだろうか。

野村さん、松本さん、石村さんと頻繁に意見交換をして、9月から11月で徐々に企画内容を具体化しました。
講義・論文作成・育児などの合間に準備をやらざるを得ず、なかなか進みませんでしたが、どうにか12月には募集要項を作成しました。

そして、募集開始に向けて、最後の最後にこの新企画の名前を議論しました。
実は私にはこういう命名センスは無く…
J-TREEの名前も他の主催メンバーが考え出してくれました。
当初、私が出した事業名案のワードは、竹内先生から「おじさんな感じがしてしまう」とのごもっともなご意見を頂戴し…
結局、竹内先生のいくつかの案を軸に、最後は実行委員4人で微修正し、何となく異論が出なかったし、その結果落ち着いた新企画名が
「SEEPSキャンプ」でした。

#3(3月3日頃配信予定)につづく


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