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家に帰ればパンダがいる

この歳まで、楽器といえばリコーダーと鍵盤ハーモニカというくらいで、全く楽器に触れてこなかった。 楽器ができる人はかっこいい。ただそれだけで、キーボードを買った。 三日坊主は怖いのでメルカリで安く売られているのを選んだ。 2日もしたら手元に届き、開封した。 パンダみたいで可愛い。 本当にそんな感想だった。 自分の(だけの)楽器なんて持ったことはないし、どう扱えばいいかも分からなかった。 でもワクワクした。心の底から震えるくらい素敵な、自分へのプレゼントだった。 これか

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    • 己の欠点を物理的にくり抜いた

      腕に嫌いなほくろがあった。 幼い頃には無かったのに、いつからか少しずつ大きくなって目立っていた。 とはいっても3mmで、なんなら腕なんだから誰も気にしていないと思う。でもあれはこの体の醜い一点だった。 ほくろは運勢を表すらしいので調べると、芸術派だとか意思が強い、決定力があるとか出てきたりした。 もっと面白味のない人間になっていいだろうか。 世界をつまらないと受け取ってもいいんだろうか。 そんなことを思いながら、美容外科に行って、ほんの2時間くらいでくり抜いてきた。

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      • 神様、私を階段から突き落としてください

        神様、私の食事に毒を盛ってください。 神様、私のもたれる手すりだけ錆びさせてください。 神様、私の脳みそを潰してください。 神様、私を殺してください。 旦那デスノートとやらでは、車なんかにかける不凍液を食事に少しずつ混ぜるらしい。徐々に徐々に身体を壊していって、気づいた時には手遅れだそうだ。 結果同じことなら自らと他人の手によるものと、どちらの方が良いんだろうか。急募・私を刺し殺してくれる人。 いつから自分が憎いんだろうか。物心ついた頃には憎くて憎くて気が狂いそうで、辛

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        • バベルの塔

          いつもは書籍しか買わないくせに、iPadを買った。 大きな画面が手に入ったからって、きっと私は何もしない。 名前くらい付けてあげようかな。 初めて検索したのはバベルの塔について。 宇野亜喜良の挿絵が最高に美しい聖書を見つけた。 うちには美術館で手に入れたバベルの塔の絵が飾ってある。 人は、決して完成しないものに激しい欲を感じるのでしょうか。 バベルの塔は美しい。あの螺旋。崩れ、朽ちてゆく様の美しさよ。 他の文献も見たい。 美術の観点からも見てみたい。 私にとって最も美

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          遺書

          これから綴るのは私の遺書 他人を上手く愛することもできず、苦しませてきた私の最後のわがままをここに残しておきます。 そして、最後の謝罪です。

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