見出し画像

Fight the Power! 新しい時代の闘い方

Podcastで、NY在住のジャーナリスト津山恵子さんのNYでの抗議活動での最新報告を聞く。

抗議活動の年齢構成

私たちが日本のニュースで目にする店舗を襲撃するような暴動はほんの数%(そのほぼすべてが夜)で、9割以上はとてもピースフルな雰囲気のデモが主流(そのほぼすべてが昼間)。これまでデモがたくさん行われてきたが、明らかに違うのは参加者の年齢層。これまではベビーブーマー世代だったが、10代、20代の参加が目立つとのこと。津山さんは、SNSのハッシュタグで若者たちが呼びかけ合っている結果ではないか、と分析する。

現地からの生の情報は本当に有り難い。

ピースフル・プロテスト

週末には、楽器を用いての抗議活動も。語弊はあるが、どこかフェスのような楽しい雰囲気。

LAでは、ポップアイコンのビリー・アイリッシュもデモ行進に参加。

平和的アプローチのデモが拡大している印象を受ける。

こちらはワシントン。

こちらはフィラデルフィア。

ドイツ、ベルリンの規模もすごい。

行政も参加

ワシントン市が、ホワイトハウスに続く道を「Black Lives Matter」と黄色で巨大な文字をペイント。

通りの名前を「Black Lives Matter Way」と改名。なんとも機敏で、強いメッセージ性のある行政の動き。

この道は、トランプ大統領が自分の写真を撮るために、抗議活動に参加する人々に催涙ガスを浴びせた場所。この大統領の愚行に対する抗議とされている。


スパイク・リー『Do the Right Thing』

昨日は、スパイク・リーが監督・製作・脚本・主演の『Do the Right Thing』(1989年)を観る。ブルックリンのほぼワンブロックを舞台に人種差別とその対立を描いた作品。途中までは、当時のブルックリンの日常がスケッチされているような描写が続くが、途中からドライブ。観終わった後には、「これ、本当に30年前の作品?」と、まさに今が描かれているのようなヴィヴィッドさに唖然となる。

この映画のために作られたというパブリック・エネミーの『Fight The Power』。劇中に幾度となく流れるが、こちらはミュージックビデオも注目したい。

ミュージック・ビデオは、デモ、集会がテーマだ。

歌詞は、ぜひオーサカ=モノレールの中田さんの全訳を読んでいただきたい!

さあ これから騒ぐぞ (本当のパーティーを始めよう) その通り! 合い言葉は? 「すべての権力を人民に!」 それも今すぐに 皆を目覚めさせて 知らせよう オレたちは権力を握る者たちと闘わなければならないのだ
「Fight the Power(権力と闘おう!)」
「権力と闘おう!」
「権力を握る者どもと闘わねばならない!」

以下、一部抜粋するが、解説もぜひ全文読んでいただきたい!

キング牧師の戦術はもう古い。新しい世代は違う方法で闘わなければならない。そして、それは、1989年の今、拡大しつづけているヒップホップという新しい音楽と強くシンクロしている、それが彼のメッセージです。
権力と本当に勝負するためには、比喩でなく本当のところ、パーティ/祭り/大騒ぎというものが実は有効であるからです。行儀の良い「市民の集い」や「勉強会」も必要です。しかし、往々にして本当に力となり得るのは、楽しいドンチャン騒ぎであったりするのでしょう。最終的な革命は大喧噪のなかで達成されるでしょう。騒ぐことに意味がある。


ロック・アゲインスト・レイシズム『白い暴動』

そして、4月に観たドキュメンタリー『白い暴動』。

1970年代。移民問題が深刻化し、人種差別や暴力であふれかえったイギリスで、音楽を武器に人種差別と闘う若者たちがいた。イギリス最大の公民権運動「ロック・アゲインスト・レイシズム(RAR)」は、ザ・クラッシュをはじめスティール・パルス、トム・ロビンソン等が賛同し、やがて市民約10万人による世紀の大行進へと繋がっていく(HPより)

公民権運動RARに、たくさんの市井の人々が賛同し、渦が大きくなっていく様子、ゴロリと歴史が動いていく様子が描かれる。ビラを配ったり、デモに参加したりと、とりわけ若者たちが「人種差別は間違っている」と立ち上がり、訴えかけてくる姿が印象的だ。

そして、最後は、10万人大行進から、ヴィクトリアパークでその大観衆を前にしたクラッシュらのアクト!

緊急事態宣言発令中、自粛生活を続けていた私は以下の記事を書いた。タイトルにあるように、「デモはできないこの世の中で」というスタンスで記事を書いている。もちろん、やみくもに人が集まることを是としたいわけではないが、素直に国の自粛要請に従っていた自分に、今は疑問を抱いてる。それくらいロックダウン中であるはずの今のアメリカの光景には胸を掴まれるものがある。

40年前のロンドンのように、今、アメリカでは若者たちが中心に声を上げている。11月には大統領選挙も控えているアメリカ。

アメリカを中心に、世界がゴロリと変わりそうな予感しかしない。

☆  ☆  ☆  ☆  ☆

【追記】NHKの動画問題


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?