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現金給付と留学生のこと

昨年まで通っていた大学院。同級生の1/3は留学生だった。大学卒業と同時に入学していた彼らのほとんどは20代前半。授業中のディスカッションや休み時間の雑談を通し、私はカルチャーギャップより、ジェネレーションギャップ感じたことのほうが大きかった。

「嵐が好きで、日本への留学を決めた」という子もいたし、「旅行で日本にきて、大好きになったので」という子もいた。日本への留学は、「学ぶ」内容自体はもちろんだが、それ以上に日本という国に興味がある、という意見が多かったように思う。

最大20万円の現金を給付する支援策を巡り、文部科学省が外国人留学生に限って成績上位3割程度のみと要件
文科省は「いずれ母国に帰る留学生が多い中、日本に将来貢献するような有為な人材に限る要件を定めた」と説明

「留学生の中には、学業目的ではなくビザ目的の場合もある」と聞いたこともあるので、一斉給付へのためらいがあるのかもしれないが、日本人学生と外国人留学生とに線引きする必要はあるのだろうか(それによりまた給付も遅れそう)? 奨学金なわけではないので、日本の学生同様に一斉交付へ踏み切るべきではないのだろうか? 

同級生と話をしている時に、「日本企業に日本で就職したいけれど、難しい」という意見があった。就職活動時に、「君は優秀だけれど、ウチの会社では外国人を受け入れる体制が整っていないから」と入社が見送られたケースも聞いた。彼らが母国に戻り、日系企業に現地採用となると、日本人と同じ作業をやったとしても給料が1/2程度になってしまうというケースも聞いた。「日本と現地のカルチャーに詳しく、語学堪能なのだから、2倍もらえるんじゃないの!」と私は驚いた。

学業優秀で気骨があり(日本人が日本で学ぶ何倍もの難しさを乗り越えている)、日本が好きで来日し、学び、語学堪能なだけではなく、日本のカルチャーにも理解を示す若者たち。少子高齢化に突き進む日本は、優秀な学生を国籍問わず日本で活躍してもらうための方策を真剣に考えるべきなのではないだろうか? 

海外から日本を見た際、若い子を惹きつける魅力が以前より激減していることの自覚をきちんと持つ。少なくても、日本が好きで来日した学生たちが、日本を嫌いにならないような配慮を。それは念頭に置いておいた方が良いと私は思う。


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