時間の使い方に「意味」はなくていい
こんなに時間があるのだから……何か「大作」に挑戦したいと考える。たとえば、『2010s』を読んでから、いつかは観なくてはと思い続けている、動画配信されているファンタジー大作の『ゲーム・オブ・スローンズ』。
「いざ!」と挑んで観たものの、やたらに体力を使う。まったく頭に入ってこない。そうだ、そもそも私は中世ものや、ファンタジー作品を見る素養がないのだった。と、あえなく2話目でストップしている。完走している知人からは、「えー」という声も聞こえてくるが、いたしかたない。なんだか、とっても疲れてしまうのだから。
というわけで、次に挑戦しようと考えたのが、発売されたばかりの角田光代さん版『源氏物語』。田辺聖子さん、瀬戸内寂聴さん……いずれも志半ばで挫折してきたが(完走したことがあるのは『あさきゆめみし』のみ苦笑)、ついに「最も読みやすい」と前評判の今作に挑もうとしたのだが。とはいえ、「えいや!」と飛び込めない。本の厚さに既におののいている……。
本を読む速度もこれまでに比べて格段に落ちている。何回も同じ行をなぞっていたり、集中力がまるでない。
夫から、「この時間を意味がある時間にしようとしすぎている」と指摘される。
世の中には「こんな時だから○○しよう」というポジティブメッセージがあふれている。日々、自分もこのnoteでそんなメッセージを発信してきてしまったような気もするので、それにも軽く落ち込んでしまったり。
この春に、ひとりキャンプを始めようと、秋くらいからせっせと道具を集めていた友達からラインがくる。「キャンプ道具を使って、マンションの屋上の共同スペースで、めざしを焼いている」と。「ただボーッと火を見つめているだけで、あっという間に5時間経ってしまった」と。
カラダはのんびりとしてきちんと休んでいるはずなのに、気持ちは確実に滅入っている。気力が目減りしている。
昨日は、マスクをして、買い出しついでに散歩。家から離れたスーパーに足をのばした。耳から聞き流す落語が今の私にはとてもいい。
自分のカラ元気に自分で疲弊しないように。
【備忘録】
『ドリームマッチ』の“塩の魔神vs醤油の魔神“で、お腹の底から笑った。ハライチ岩井さんのエッセイを読んでみよう。
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