「ズーム疲れ」の根本的な原因を考える
以前に『「ズーム疲れ」が止まらない』というnoteを書いた。
その後、「めっちゃ歩く」という解決策を得たものの、これまでの生活様式を、たったの2ヶ月あまりで全リセットできるはずもなく……引き続き、ズーム疲れが止まらない。
テレワーク生活に入って約2ヶ月。だいたい1日2〜3本、オンラインで打ち合わせや取材をこなしている。合間に企画書を書いたり、メールの返信をしたり……その間にご飯を考えて作って食べて……そうやって一日が終わっていく。
『人間の五感は「オンライン」だけで相手を信頼しないようにできている』という霊長類の第一人者・山極京大総長の記事を読んだ。
いざチームワークを組んで何か一緒にやろうというときには、ネット上の文字やシンボルは役に立ちません。一緒に行動した記憶が積み重ならないと、チームワークはできないんです
脳ではつながろうとしているけれど、身体ではうまくつながれていない。
私は、以前に、馬と触れ合ってリーダーシップを学ぶというプログラムに参加したことがある。ただひたすら「馬」を観察する。そして、馬が思っているであろうことを感じることがミッション。
馬の気持ちを感じられるようになると、馬が人間の言うことを感じてくれるようになり、言葉を介さなくても、コミュニケ―ションがとれるようになるのだという。
「そんなの無理です」と研修がスタートした時には思っていたはずが、1日馬を観察し続けていたら、「なんとなくこういうことなのかもしれない」という感覚の片鱗のようなものを感じることができた。その1日で学んだことは、リーダーは「命令」することが大切なのではなく、とにかく「観察」することが大切である、ということだった。
偉大な調教者は世話した馬が有名なレースで勝ったから、名高い荒馬を手なずけたから、名を残したから、ではなく、人と人ではないものとの境をこえたから、偉大になったのだ。
slack社のリモートワークについての考察をまとめた資料を読むと、利便性があがることで失う透明性や(心理的)安全性をいかに担保するかが、仕事の生産性を上げるうえでとても大切だということが分かった。
仮想空間で過ごす時間が激増した今、これまで以上に、「透明性」「安全性」「共感力」……などを意識し、他者に対するセンサーをより鋭敏にする必要がある。
ただし、その礎となる「聞く力」「観察力」を発揮することがなかなかに難しい状況だ。それを潜在的に察知した心身が自発的にアラートを発し続けている。その結果が、デジタルコミュニケーション疲れの根本原因のような気がしている。
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今日の一冊
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