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都知事選の日、カニエが大統領選出馬!? 現状維持バイアスのこと

都知事選は、2期目の再選を果たした小池百合子都知事の圧倒的勝利で終わった。

トップに求められる資質

都民1万人アンケートが興味深い。とりわけ私は、「小池知事 資質・能力を持ち合わせているか」という項目が興味深かった。

この結果だけで断言することは難しいけれど、「弱者への共感」「将来像を描く力」「主張の一貫性」「行動の一貫性」より、「発信力」「リーダーシップ」「決断力」といった要素が評価されているのがわかる。これは、何も小池都知事に対して意見としてだけではなく、組織のトップに立つ人に対して、重視していること、重視していないこと、とも捉え直すこともできるように思う。

極論すれば、一貫性がなかったとしても、目の前の事象に対し強い言葉を発信し続けられるトップの方が評価を得やすい現状がある、ということになる。なるほど。

小池のようなポピュリストにとって、確固たる信念に基づく体系的かつ論理的な一貫性はなくていい。良くいえば柔軟、悪く言えば体系がないからこそ、過去にとらわれず「今」このときの自分を打ち出すことに執着する。

二期目の現職は強い

歩く広辞苑みたいな知人と深夜のチャット。

なんでも疑問を即答してくれるので、夜更けに関わらず、様々な疑問をぶつけた。メディアな問題やら、組織票の問題やら、いろいろな要因はありつつも、圧勝の最大の理由は、「既に一期努めていたこと」ということ。つまり、任期中に辞任する事態にならず、努めあげたことが(とてつもなく非対称な適性検査であるものの)「都知事としての適性がある」と評価された、ということに尽きるのではないか、ということになった。

二期目の現職が強いというのは、もちろん、東京や日本だけに限った話ではない。

カニエの出馬表明

昨日は、アメリカの大統領選では、カニエ・ウェストの出馬表明がニュースになった。

そもそもその兆しは前々からあった(昨年末にそのことを私はnoteに書いている)。てっきり2024年の話だと考えていたのだが、2020年に動くのか!  動いてしまうのか、カニエ!!

2024年。カニエは本当に大統領選に出馬してしまうのかもしれない。本当にそうなったらゴシップ記事をたくさん賑わしてしまうのだろうが、私は全然驚かない。

さらに、テスラのCEOイーロン・マスクが「カニエを全面的に支援」すると発信(なお、彼は以前、民主党から出馬したアンドリュー・ヤン候補の支持を表明していた、よう……!?)。

もちろん批判の声も多く寄せられている。

自身のファンである民主党支持のマイノリティの票を奪い、トランプ氏を助けようとする作戦なのでないか、という意見が多く散見する(なぜ、カニエ支持の票がトランプ支持の票に流れるのかは、netflixのハサン・ミンハジ『愛国者として物申す』シーズン6の「誤った選挙制度」がわかりやすい)。

彼自身が、「2020ビジョン」と掲げているように、また「アイディア」が大事だと言っているように、個人的にはこの「大統領立候補」というのは、新しい「ビジョン」と「概念」を持つことを示す彼なりの方法なのだと思う。

カニエの本心は本人にしかわからないけれど、結果的に、カニエが動いてしまえば、トランプ大統領再選の後押しをしてしまうことになるのは間違いない。

現状維持バイアス

2020年。日本の首都では「現状維持バイアス」が思いっきり作用した(と、思う)。それが、この秋は、アメリカでも思いっきり作用してしまうのだろうか?

人が意思決定をするときに強い影響力を持つ心理傾向であり、現状から未知の状態に変化することを「安定した現状が無くなってしまう損失」と認識する心理が影響している。

このバイアスの外し方は、①定量的に分析する ②(利害関係のない第3者からの)アドバイスを仰ぐ  ③最悪のケースを予め認識する ということのようだ。


現状維持バイアスから解き放たれるための、不断の努力の必要性について夜更けに考えこんでしまった。

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【おまけ】最近のカニエ

カニエは今月に入って、GAPとのコラボラインも発表。

新曲『Wash Us In The Blood』も発表。

MVには、カニエのアバターに加え、過去のパフォーマンス、抗議運動など、いろいろな映像が挟み込まれ、フィーチャリング・アーティストのトラヴィス・スコットもカメオ出演している。

“Wash Us In The Blood”は歌詞に「奴隷」や「虐殺」といったワードが並び、そして「ドラッグを売る人生、それしか選択肢がなかった / 聖霊よ、降臨してくれないか / 俺らを(イエスの聖なる)血で洗い流したまえ」とラップするものとなっている。





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