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【アルマーニの言葉】この乱気流の中で。

数日前に読んだジョルジオ・アルマーニ氏の記事。

新型コロナウイルスの影響でアパレルの縫製工場やサプライヤーが休業を余儀なくされている現状。ファッション業界は従来の年間スケジュールを見直さざるを得ず、これをきっかけに今後はより“スローファッション”になっていくのではないかと分析するWWDアメリカの記事を受け、心が動かされたアルマーニ氏によって書かれた往復書簡だ。

われわれの仕事が持っていた価値をよみがえらせ、商品を手にした顧客に本当の価値を理解してもらえるようにする道でもある。
ファッション業界のスケジュールが現在のように目まぐるしくなったのは、ラグジュアリーブランドがファストファッションと同様の手法を取り入れたからだ。
「オーセンティシティー(欺瞞がなく、信頼できる本物であること)」の価値も、これを機会に取り戻したい。
現在は乱気流の中にいるような先が見えない状態だが、間違いを正して人間らしさを取り戻すためのユニークな機会でもある。

ファッション業界とは違うものの、トレンドを扱い、印刷所、流通、書店との連携で成り立つ雑誌という商材を扱っているので感じ入る。アルマーニ氏の言っていることは、まんま女性誌の現状にもすげかえて考えることができる。

私が楽しんで雑誌を読んでいた時代(1980年代〜90年代)は雑誌の黄金時代だったと思う。その頃のあり方とは大きな変化を遂げている。それが果たして良い変化だったのか? その問いへの答えをアルマーニ氏がズバリと答えてくれたような気がして、何回も読み返している。

往復書簡の冒頭。

私も何年も前から、ショーが終わった後の記者会見などで同様の疑問を投げかけてきた。しかし耳を傾けてもらえず、堅苦しい倫理観の持ち主だと思われるだけだった。

アルマーニ氏のような人の言葉でも、社会の正義がそこになければ、耳を傾けてもらえなかった。けれど、社会の正義がゴロリと動こうとしている風を感じる。

人々の価値観が多様化してきた時代に、はからずしも世界中の人々が「stay home」を促され、できるかぎり実践している現状。同じような生活を同時に世界中の人々が体験している。性別、年代、国籍などの壁を超え、同じ感覚、感情が芽生え始め、ダイナミックなクラウドフィーリングが自然に発生していく予感がする。

この乱気流の先の出口をできるだけポジティブにするために。先が見えない暗闇をユニークな機会ととらえ、今、考えておくべきことを見据えたい。

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