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筒美京平と小沢健二。そして、あっち向いてホイ!

以前、筒美京平さんのnoteを書いた。

人生の最後まで(人前に顔を出すことに積極的でなかったため、驚くほどに写真や映像が残っていない)黒子に徹し続けてた職業人の生き様に思いをはせ、懐かしい楽曲と共に、涙、涙の夜となった。

そして、昨日は、筒美さんと『強い気持ち、強い愛』を世に放った小沢健二さんが書いた私小説(あるいは鎮魂歌、ある手紙)を読んだ。

その曲がリリースされた当時、大学生だった私は、チケットぴあで小沢さんのライブのチケットをとるべく、ずっとリダイヤルで電話をかけ続けた。ただ、読み進めるだけで、あの頃の風景が走馬灯のようにクルクルと蘇る。

中でも、私にとって、3-1(3ページ目の一段落目)の 

今から書くことは「20代のまじめなアーティストはそれくらい思いつめている」と知っていただくために、あえて書いておきたい

からが私にとっては白眉。ひとりの鬼気迫る侍が、共闘する相手を見つけ、大企業や世間の常識を相手に無謀な闘いを挑む様にはヒリヒリして、手に汗握ってしまった。当時、王子様と呼ばれていた小沢さんだが、プリンスではなく、ナイトだったんだなぁ。

そして、そんな私の気持ちをはかったように(!?)、夜は関ジャムでも筒美さん特集。

番組を見終え、『あちこちオードリー』でのチョコレートプラネットの長田さんの言葉を思い出す。

あっち向いてホイが作りたい

「あっち向いてホイが作りたい。みんな知ってるじゃないですか。でも、誰が作ったかわかんない。紐解いていったら実は文枝師匠、欽ちゃんが始めたというようなエピソードが残っている。そういうものが作りたい。俺が死んでも後世に、俺が作りしものが残っていく」

筒美さんは、たくさんのあっち向いてホイを作った。昨晩もしみじみと。


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