見出し画像

細胞にはできて、人間にはできないこと⁉︎

「細胞の中に社会がある」という話を聞いた。

細胞小器官は、工場や病院。タンパク質は、働く人。膜小胞は、働く人を運ぶ交通網……その例えを聞いてから細胞の中をアニメーションにした動画を見ると、細胞は秩序正しく機能している「未来都市」のよう。不要物を回収したり、分解したり……細胞の中の「働く人たち」は大忙しである。


まるでアンパンマンかのように!

私たちの身体を形成する細胞ひとつひとつは、(大隈教授がノーベル医学生理学賞に輝いいたことで俄然注目された)オートファジー機能が働いている。

オートファジーの作用では、不要になったタンパク質などを細胞自身がリサイクルし、新しいタンパク質を作る材料にしたり、細胞内をきれいに保つ役割などをしていることがわかっている。食事で摂りきれないタンパク質は、オートファジー作用で再生産されたタンパク質が補っており、これが生命維持に重要な働きをしていると考えられている。


人間の体は60兆個ともいわれる細胞からできている。オートファジー機能が正常に働けば、細胞は絶えず新しい細胞に生まれ変わることができる。食事から得られることのできない不足分のタンパク質をオートファジーで分解した“自身”のタンパク質が原料となって再び補う。また、病気や老化の原因となる不要なタンパク質もリサイクルして活用しているのだという。まるで、アンパンマン!

人間の社会も、健全な細胞の中のように、互助精神とも、献身とも言えるオートファジーな力が機能していたのなら。思わずそんなことを考えてしまった。

【今日の一冊】

経済学にはとんと疎い私だが、「データや統計ツールなどを用いて語られるものの、予測不能な動きをする人間(の業)が大いに絡むゆえ、経済学はまったくもって科学的ではないのだよな〜」と思うところがあり読んだ一冊。誰しもが人間らしく働き、生きるために必要な考え方=能動的希望である「分かち合い」について書かれている。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?