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“女性活躍”ってなんだ?

修士論文で経営者の方のインタビューをした。その会社は男女構成比も、女性の管理職比率もイーブン。

「最近の風潮をことさら意識することはないです。フラットにファクトを見て行けば、結果的にイーブンになるんです。人口比がそうなっているし、入社人数もそうなっているから、いたってそれが自然なことだと思っています」とことなげに言った。「もちろん、ライフステージの変化から受ける影響が女性のほうが現時点では大きいのは事実だから、そのサポートを考える必要性はある」ともその人は付け加えた。

日本は調査対象となった世界153カ国のうち、121位(2018年は110位)、G7のなかで最低だった。ジェンダー・ギャップ指数では、各国の男女の格差を経済・教育・健康・政治の4分野14項目で分析。各分野における男女格差に着目し、評価している。

先頃、ジェンダーギャップ指数が発表された。集計ミスなども指摘されているが、それを鑑みても大きく順位が入れ替わることはないようだ。こちらの指数は平均給与や政治家の女性比率などから導きだされる。文化的な側面は考慮されていないため、今ひとつピンとこないという指摘もある。とはいえ、絶対的ではないにせよ、ひとつの目安にはなるだろう。

登壇者の方の「利き腕をいちいち気にしないと同じように、個人を語る時にジェンダーがことさら意味を持たない社会になることを目指したい」という言葉が印象的だった。

インタビューが終わり、冒頭の経営者の方と雑談になった。「ワンチームではないですけれど、女性は“誰かの嬉しい”を“自分のうれしい”にすることができる方が多い。だから、これからの時代は女性に多いにアドバンテージがあると僕は思っています」。

男と女。その二元論で語ること自体がギャップがうめられない一番の理由なのかもしれない。そう考えてはいるけれど、その言葉に気持ちがはずむのだった。


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