見出し画像

梨を買いに行っただけなのに

昨日に引き続き、実家の父のアトリエで遺品の整理。


以前、実家あたりではまだ続いている農作物の無人販売のこと書いた。

無人の販売所がそこかしこにあった。道ばたに、台をつくり、そこを簡単な庇(ひさし)で覆い、貯金箱型の木箱がチョコンと置いてあるだけのような。
お裾分けに近い感覚だと思う。美味しくできたので、家族分にキープしていた分をお裾分けします、みたいな

「東京に戻る前に」と、昨日は梨園に母と梨を買いに行った。毎年、その梨園から幸水を母は大量に送ってくれる。

母が到着すると、家族経営している梨園の方達が販売所に集結。ひとしきり井戸端会議のようなものがスタートする。母の振る舞いは、地元の魚屋や肉屋でも同じである。スーパーで品物を買いに行くだけなら要することのない時間を要するので、これまで買い物の付き合いに辟易していたのだが、私も年をとったからか、微笑ましく見守れる様になってきた。

梨を買いに行っただけのはずが、下の写真の何倍もの量の茄子を持たされた。「来るっていうから、わざわざ畑からとってきたんだよ。好きなだけ持っていって」と言う(そうやって見せられたのが籠いっぱいのヘッダーの写真)。

画像1

幸水でも十分に糖度は高いと思うのだが、より高糖度の「あきあかり」という品種の梨もたくさんいただく(梨を買いにいったのに!?)。

画像2

さらに、すり下ろした梨やリンゴをベースにした手作りの万能ソース(冷凍)を2Lをいただく。今年はお祭りなどのイベントが全て飛んでしまったので、大量に作り置きしておいたソースが余っているのだそうだ。

そして、次に奥から出してくれたのは、オトギリソウ(幼き頃、『弟切草』という怖いゲームが流行ったのだが、それと同じなのだろうか!?)の焼酎漬けエキス。虫刺されに効くのだという。沖縄の調味料「こーれーぐす」のような!?   「騙されたと思ってつけてみて」と言われて、夕方、蚊に刺されたので、騙されたと思ってつけてみたら、痒みも赤みもすぐに引いて驚いた。

画像3

そういえば、小学生の頃、たまたま道端ですれ違う農家の方たちに「葉子ちゃん、これ持ってって」といろいろな農作物を持たされた。同級生の家は酪農家だったので、搾りたての牛乳をもらうこともあった。多く作りすぎたから、とタッパーに入れたおかずを持たされることもあった。

時空がねじれたような錯覚に陥った。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?