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タイBLから考える、ヒットを阻むもの
オンタイムでは難しいが、自粛生活が終わっても、よくTBSラジオをradikoで聞いている。
先日、ライムスター宇多丸さんのアフター6ジャンクションで、タイBLのドラマが取り上げられた(7月1日の回)。
【YouTubeでも観れる!】
— アフター6ジャンクション(聴くカルチャー番組) (@after6junction) July 1, 2020
7/1(水)「タイBLドラマ特集」で堀あきこさんが紹介したオススメ作品📻⚡️
「SOTUS」
「Theory of Love」
「2gether」(こちらのみ7/31〜Rakuten TVで配信)
👉聞き逃してしまった方はradikoのタイムフリー、もしくはSpotifyでどうぞ😎🇹🇭https://t.co/9Fs5sv26Mw#utamaru https://t.co/RiwIxTJ2R2
出演は、関西大学非常勤講師の堀あきこさん。機が熟したところに、モンスタードラマ『2gether』が投下されて、それが決定打となったことで私も知ることとなったのだが、タイのエンタメ界全体の流れや最前線がよく理解できた。
น่ารักมากกกกกก @bbrightvc @winmetawin #คั่นกูMV#คั่นกู #2gethertheseries#GMM25 #GMMTV pic.twitter.com/pMZkJPlA2H
— GMMTV (@GMMTV) March 10, 2020
※堀さんは学術書と言えばの有斐閣から新著『BLの教科書』を発売される。それに到るまでに、社内にいたBL好きの方々の熱い後押しがあったという話も興味深かった。
そもそもは日本から輸入されたひとつのジャンルとして根付いていた”やおい”をドラマ制作陣が目をつけて制作を開始したのだという。
タイBLドラマのヒットの理由、
●映像制作自体のレベルの高さ。
●公式配信の豊さ(スマホを開けたら必ず何かしら新しい情報が上がっているような頻度)。
●作品が終わった後も、キャストがそのカップリングのまま、プライベートの仲の良さを公開してくれる。彼らのファンとの距離の近さ
というあたりは、「ふむふむ」と感じ入りながら聞いていたのであるが、
●コンテンツを無料YouTube配信。しかも、字幕機能開放。世界各国の言語での字幕はファンクラブのボランティア(世界中のファンクラブ活動が映像制作の会社と協力関係が成り立っているらしい!!!)→自然に(手間は最小、コストはゼロ?)、言語の壁を超えて、世界拡散!!!
で、「ヒョエー!」と衝撃を受けた。
映像制作会社や事務所がファンを信用し、情報をオープンに公開することで、ファンの忠誠度が高まり、ファンが自然にさらなるファンを獲得していくという図式。かなり韓国のエンタメ手法を取り込んだと言われているタイのエンタメ界ではあるが、「ここか! ここなのか!」と韓国とも一線を画したように感じる真髄が垣間見られたような気がして、ブルッと震えてしまったり。
タイBLドラマの人気を決定的なものにした『2gether』は楽天TVにて7月31日から独占配信が決定。
以前、noteにも書いたが、映像コンテンツの大ブレイクには以下の要素があるような気がしている。
「いつでも、どこでも、気になった人がすぐに鑑賞できた」ということが何より追い風となり、普段、アニメを見ない層、そして漫画を読まない層を巻き込んだ。
YouTubeで無料で観られていたものが有料になるということで、日本での広がりは今後どうなっていくのだろうか? サブスク全盛で見放題が当たり前になっている昨今、「話題だからちょっと見てみたい!」と思ったところで、1話200円(3日間視聴)というハードルはなかなかに高いと思うのだが? 「できるだけ情報をオープンにし、ファン同士のコミュニケーション量を増やし、公式がファンと共創し、自然発生的に広く流布させる」というかたちで世界中で大ブレイクし、発展を遂げたタイBLドラマ。その日本での大ブレイクのハードルは、タイBLドラマ自体のポテンシャルではなく(そもそも日本が発祥のカルチャーだから受け止める素地は充分!)、日本のコンテンツ産業の構造の問題のような気がしている。
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