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読書日記

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2019年11月の記事一覧

渋谷とパルコと堤清二

渋谷パルコが先週末にオープンした。覗きに行きたいと思いつつ、あまりにすごい人の量だと聞き、ひよってしまった。つまり、まだ、足を運んでいないにもかかわらず、渋谷パルコのことを書く。 カルチャーの発信源としての意地少し前に、渋谷のトランスフォームぶりを嘆いてしまい、情報を入手せずに新生パルコに対してもやや後ろ向きな記事を書いてしまった。 ジャーナリストの知人は、「セゾングループ解体後、Jフロントリテイリング傘下に入ったパルコだが、渋谷パルコがセゾンらしさを撒き散らしていた時代

「自分の意見は、本当に自分のもの?」を問う映画『i 新聞記者ドキュメント』

他者との関係を築く時、邪魔をする「関係性の4毒素」というものがあるらしい(出典:中土井僚著『U理論入門』)。 関係性の4毒素 ①非難:相手を追いつめ、相手の能力や人格を否定する。他者の言動。②侮辱・見下し:相手をダメな人と決めつけ断罪し、切り捨てる。③自己弁護・防御:自己正当化と自己犠牲感。④逃避:コミュニケーションを避ける。当たり障りない言動に終始する。意図的に相手を避ける。関係を絶つ……など。 森達也監督の最新作『i-新聞記者ドキュメント-』を観た。オウム事件について

『食べて、祈って、恋をして』いる暇はないけれど

食欲や生きる意欲を以前は持っていたのに、消えてしまったのよ そう言って、主人公はすべてを投げ出し旅に出た。 Netflixのオススメに出てきた『食べて、祈って、恋をして』を観た。公開時にも映画館観ていたので、約10年ぶり二度目の鑑賞。当時のジュリア・ロバーツより今の私の方がやや歳上。当時観た時よりもじんわりと染み入った。 神頼みする前に行動しよう 当時は感情移入できず、「ジュリア・ロバーツ、きれい」「食べ物、美味しそう」「旅に出たい」…そんな感想を持っただけだった(と

みんなでスベればこわくない!?  最強布陣カーリング・シトーンズ

昨年デビューしたカーリング・シトーンズ。遂に、ファーストアルバムが今月下旬に発売される。 ユニコーンの民生、ジュンスカの呼人、FLYING KIDSの浜ちゃん、真心ブラザーズの倉持くん、ウルフルズのトータス、そこに(斉藤)和義君で編成された、思春期にバンドブームの洗礼を受けた私にとっては夢のようなメンバー構成である。※敬称は、私が普段会話で使っているママ。 「カーリングをしていますの複数形」で、カーリング・シトーンズ。で、すべらせる競技カーリングをモチーフに、「すべるのが

猿にもあるらしい「中年の危機」と私の「メランコリック・ノーベンバー」

家のどこかにあるはずなのに、探せない本『サブカル・スーパースター鬱伝』。「サブカル界隈の人物は40を境に鬱になる」という仮説をもとにプロインタビュアーの吉田豪さんが、それはそれは豪華メンバーにインタビューを敢行。リリー・フランキー、大槻ケンヂ、みうらじゅん、松尾スズキ、川勝正幸、杉作J太郎、菊地成孔、ECD、枡野浩一、唐沢俊一…… たしか38歳くらいに読んだ。きたる40歳に向けドキドキしながら読み進めていた頃である。アラサーとかアラフォーとかいう言葉が定着していった頃でもあ