見出し画像

蕎麦屋の中華そば

 白髪染めのあと、すぐそばの蕎麦屋に寄った。午後一時過ぎ。ランチ時で、むさ苦しいオッサンと相席になった。
 オッサンは、かけそばとミニカツ丼を、今にも食い終わろうとしている。

 しばれる冬、汁蕎麦をかっこみたいところだが、前日が初釜だったため、和風出汁に少々飽きている。
『昔ながらの中華そば』
 という貼り紙につられて、思わず蕎麦屋の中華そばを頼んでしまった。

「へいお待ち~」
 あっという間に、あんちゃんの親指が入らんばかりの勢いで、それは運ばれて来た。
 器までも熱々。透き通るほどのクリアスープ。チャーシューも脂身なしの超さっぱりだ。真ん中の鳴門がキュート♥ 680円という値段も可愛い。

 ワタタタタタ~っとかっこみ、わずか10分で店を出た。待ち時間五分、早食い五分だ。自慢じゃないが、麺が伸びないうちに、スープは熱々のうちに、食い終われる自信はある。

 街場の蕎麦屋は、特にうまくなくていい。それが、うまいんだ。
 暖簾をくぐりながら、私は思った。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?