二胡弾きの……?
那須の庭には野鳥や小動物がけっこうやってくる。ライブカメラを設置しておくと、夜間だとタヌキやハクビシンを見ることができる。冬場のタヌキはモコモコで実にかわいい。
ある日のこと。
「最近薪置き場のところにリスが住みついたかも…」と夫が言い出してさっそくライブカメラを設置していた。一日経ってから見てみると、小さな野ネズミとリスがかわるがわる餌を食べに来ている様子が映っていた。野ネズミは夜中と日中に、そしてリスは夜行性かと思いきや姿をあらわしたのは日中のみ。検索してみると
夜行性ではないどころか冬眠すらしないとは……
ちなみに置いた餌はヒマワリの種とリンゴの皮である。これは正解だったようだ。
そうそう
薪置き場はアトリエの軒下になるのだが、私は那須にいる時はここにこもって二胡の練習をしていることが多い。夫がカメラを設置した日も課題曲を懸命に弾いており、その音が一緒に入っていた。私の下手くそな二胡の音色に驚いたのかササッと姿を隠す野ネズミ……そのあとに来たリスは気にせず食べ続けていた。それを見てすぐに浮かんだのは宮沢賢治作「セロ弾きのゴーシュ」
いつか子どもを連れたタヌキがアトリエのドアをたたくかもしれないね。
那須はメルヘンに満ちている。
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