復活! AM96の国際列車 リール→アントワープ
全然更新せず、良くないなあと思いつつ、新しく仕事も始めてnoteまで気が回らない状態が続いていたが、この記事だけは備忘録に記憶が鮮明なうちに書こうと思う。(先回の記事の間に2回欧州に行っていることは公然の内緒だが)
さて、コロナも本格的に開けた2023年12月のダイヤ改正、欧州鉄界隈では新型NJやDBの客車食堂車が引退など、嬉しい話と悲しい話が交錯して話題になっていた。そんなところで、ベルギーとフランスを結ぶローカルICも隠れながら復活していた。
SNCBの系統番号でIC-04
Antwerp-central~Lille Flandres/PoperingeのICだ。
コロナ禍では国境を超える人の移動が制限されていたため、完全にこの列車は途中のKortrijkで系統分離。国境から国境を結ぶ、各駅停車に成り下がりながら(実は2駅だけ通過していたらしい)、種別だけはICを名乗っている、もやもやした感じの運用になっていた。
まずは始発駅まで
時は2024年1月5日、帰国する前日に乗りに来た。
なんとか勝ち取った有休を有意義に使わねば
さて、ブリュッセルから出発地のリールまで列車に乗っていく。
来たのは新型のM7。
電車でありながら客車、モーター車は機関車になる、オールラウンダーの車両だ…
が、今日は10分ぐらい遅れて走って来たし、乗り換えのTournaiまでの遅れを回復せずに走ってきた。
ここからはAM96で国境を越えて行く。
乗り換え時間があまりなかったが、ギリギリセーフ
こちらのAM96は今回のお目当ての路線ではなく、別系統の列車。こちらは相変わらず、Tournai~Lilleまでの国境越え運用にだけ充当されている。しかし、時間帯によってはNamur始発Tournai行きのICがTournaiで行き先変更して、Lilleまで直通している場合もある。昔はこちらもLiege~Lilleの長距離運用を一時期は行っていたが、Namurに短縮され、さらにコロナで国境区間だけになってしまった。
これもいつかは直通列車が復活しないだろうか。
乗り換えれば辿り着けるので、そこまでの影響はないが
ただ、車両が3両だったり、フランス直通非対応車が入ってみたりとAM96の車両が足りてないのか?と感じる部分もある。
いざ乗車へ
話が大分脱線してしまったが、いよいよLilleからAM96のAntwerp行きに乗車する。
Lille Flandresの端っこのホームで佇むAM96。
ちなみに、Lille FlandresのFlandresはどんな意味なのかご存じだろうか。
Flandresとは日本ではフランダースの呼び方の方が馴染みがあるだろう。
フランダースの犬と同じ意味だ。あの物語はベルギーのAntwerpが舞台なのである。
つまり、Lille Flandres駅はLilleのフランダース地方に向かう列車が発着する駅という意味になる。昔はベルギー方面の国際列車が多く発着していた駅だったのだろう。今、長距離列車は隣のLille Europe駅から発着しているため、一部のTGVとベルギー方面の国際列車が2系統出ているだけの駅になってしまった感がある….
駅の話題で寂しくなってしまった感はあるが、再びLille Flandresの駅名にふさわしい、唯一フランダース地方へ向かう列車が復活したのは嬉しい。
この列車は途中のKortrijkまでは2駅のみ通過し、Kortrijkからは別方面からやってきたPoperinge始発のAM96と併結して、そこからは速達タイプのICとしてAntwerpを目指す。
ところで、このAM96、検査開けなのかものすごく綺麗な編成だった。
いざ発車
発車は普段のAM96と変わらず、という感じ。
ただ車掌はフランス側もSNCBの乗務員だったので、中は国際列車の感じはあまり感じられないが、一部のお客さんが車掌に質問していて、ベルギーに直通する旨を案内していた。国際列車要素はそれぐらいかな。
あとはアナウンスで、駅ではKortrijk行きって案内していたけど、Antwerpまで行くよって案内ぐらいだったか。
フランスを走行中、架線を眺めていたら、なんと1本しかないではないか。
交流25kVが流れているのに、架線が1本しかないとは…
かつてはここも幹線だったので2本は最低でもあったと思うが、経費削減で削られてしまったのでしょうね。
Kortrijkで併結
この列車のハイライトはこの駅だろう。この貫通型の顔が一番活用される場面だ。PoperingeからのAM96は2編成併結の6両編成で、今回自分が乗っているAM96の3両編成を連結して9両で運転する。
Kortrijkへはこの列車が先に到着して併結相手を待つため、連結シーンを見ることができる。しかし、国際列車たるもの、時間はできるだけ削って運転するべしという謎の思想も持ち合わせているので、少しもやっとしながら併結相手を待つ。
併結はスムーズに終わり、現場の作業員も要らず車掌だけで増解結ができる仕組みのようだ。
そのあとは、快走と思いきや、Sint-Niklaasの駅でトラブルがあったのか列車が詰まってしまい、その上Antwerpの地上ホームが一部工事で使えないため待ちぼうけを食らったが、乗りに来れただけラッキーと思おう。
それと途中で、怪しいライトを放つビニールハウスがあったのだが、あれはなんだったのだろう。
普段は入らない6番線に到着するAM96
フランス直通編成の活躍もM7の登場でいつまで続くか分からないが、SNCBの上層部の漏れている話を聞く限りは、I11はパリ直通、M7はルクセンブルク、AM96はLilleと言われているので当面は活躍が見られるだろう。
とはいえ、ここの会社、急に方針変えてしまうので、どこまで信用できるか分からない。
あとはNamur~Lilleも復活を望む。
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