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#3 ミャンマーの支援をされている井本勝幸さんに聞きました。『平和のためにわたしたちが出来ること』 (日本占領時代の東南アジアの傷跡を巡るスタディツアー)


前回からの続きです(これが最後の記事になります)。

更新の間があいてしまいましたが、それには理由がありました。
本日2021年9月21日は、マレーシアでは中華系住民たちがMid-Autumn Festival(中秋の名月)をお祝いをする日です。この日に合わせて、この記事を皆様にお届けしようと思います。美しく輝く満月を眺めながら、恒久の平和を祈る日になりますように。

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筆者撮影(於クアラルンプール・マレーシア)


それでは、日本占領時代の東南アジアの傷跡を巡るスタディツアーのスペシャルゲスト、井本勝幸さんにお聞きした「平和のためにわたしたちができること」について、本日はお届けしたいと思います。

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スタディツアーでお話しされる井本氏
(Zoomにて実施)

井本勝幸さんにお聞きした「平和のためにわたしたちができること」

ご参加いただいた方からこのようなご質問がありました。

「ミャンマーでは理不尽なことが起きています。また少数民族問題も根深いものがあります。民族・宗教・立場を超えて、人間同士で通じ合うものがあるのでしょうか。わたしは、平和な日本で暮らしていますので、どこかで通じ合えるものがあるはず、と思いたくなるのですが、ここまで長い間内戦状態が続いていると、いろいろと複雑な状況が絡み合っているのかな、とも想像しています。これまでの活動を通じて、井本さんはどのように感じていらっしゃいますか?」

僕は人間同士で通じ合うものはあると感じている

井本さん「そうですね。僕は人間同士で通じ合うものはあると、思いますよ。
また、(どんなに難しくても)それをやらないと、ね。平和になって行きませんので。要は、そういう信念を体現する、実現させていく、そういう人間が出てくることが大事だと思います。自分の関心のあること、誠心誠意関わって行くと、歯車が回り出していくという風に思いますね。そして、日々の活動を通じて様々な人に出会うのですが、そういう環境が自分のお尻を叩かせ、さらに前へ進んでいく原動力となるようです。」

「全てを赦(ゆる)す」には

井本さん「言葉、文化、宗教、全く違う人々と、異なる意見や行動をおおらかに受け入れながら、平和に付き合って行くには、大目標を持つこと、が大事ですね。まず、こうなるとよいという大目標を掲げ、それに向かって行くために今自分が何をすべきかを常に考えながら過ごすと、一時の感情で流されたりすることはなくなるのではないでしょうか。」
井本さん「結局ね、人間頑張るしかない。前に進むしかない。悩んだって苦しんだって自分で立ち上がるしかないし前に進むしかない。
答えはわかっているんです。
過去は変えられないですから、全て受け入れて、むしろ未来の方へ目線を向けて、気持ちを切り替えて行く。それしかないでしょうね。
過去のことは許していく。その方がいいし、何より自分にとっても楽かな、と思いますね。」
聞き手(Matahari)「わたしのような普通の人間は、些細なことに腹を立てたり、自分ごとで精一杯になってしまったり、、、起きてしまったことを赦して先に進んでいくためには、まず、何から始めるのがよいでしょうか。」
井本さん「今回のような企画はとても良いと思います。わたしもこれまでの様々な経験のおかげで、こういう(他の人とは変わった)人生を歩んでいますけれども、、、例えば、インパール作戦の跡地、インド国境に近いチン州の山奥の、風の音しか聞こえないような場所。ミャンマー全土が停戦して入国できるようになったら、ぜひ日本旅行さんでツアーを企画して皆さんをミャンマーに連れて行ってください。
そしてね、僕が経験したことですが、全く何もない場所ですが、(地元の人に言われた通りに)掘ってみると日本兵の遺骨とともに遺留品が一緒に出てくるんですね。成田山と書かれたお守りとかね。家族や奥さんに持たされたんだろうな、と想像しながら、それを自分の手で拾い上げた時の気持ちを表すと、、、まさにちっぽけな自分のことなんか飛び越えちゃいますよね。安全第一も人生大事だとは思いますが、自分を乗り越えるような、私ごとを飛び越えるような事柄に関わってみる、というのはいいことじゃないかな、と思いますね。」

平和は自分で作るもの

聞き手(Matahari)「些細なことや自分ごとに苛まれてしまうような時は、もっとそんなことを超越してしまうようなことに意識を向ける。
自分以外の人のために何かをやってみるとか、困っている人が目の前にいたらその人のために何かをするとか、そういうことをやればいいのでしょうか?」
井本さん「人類の歴史は続いていますからね。過去には、人間同士の戦争なども起きましたね。その歴史の上を歩いていく、というか。
そういったことに積極的に関わっていくことで、自分を成長させるのではないか、と思いますね。それが、最終的に平和に繋がっていくのではないでしょうか。
平和は自分で作るもの。待っていただくものではないんと思うんですよね。この世界は、いくら見渡しても少しも平和じゃないですしね。
平和は自分たちで作って行くしかないんです。
それから、歴史に対するけじめ、というのも、僕は続けて来れて良かったな、と思っていますね。亡くなってそのまま、、、というのではなく、日本人としてきちんと起きたことにカタを付けるというのは大事ですね。仕事やビジネスも大事ですけど、歴史に対する自分の国のしたことに対するケジメ、も大事ではないか、と。

井本さんから最後に皆さまへのお願い

今日の新しい出会いとなった方々もいらっしゃいますので、出来たら皆様にも未帰還のご遺骨の日本への帰還にご協力いただき、(近い将来)一緒に達成感を味わいたい、という風に思っております。どうぞよろしくお願いいたします。


井本勝幸さんを応援する方法

現在は有事のため、タイにお住いの井本さん、遠隔で現地の協力者の皆さんと共に、ミャンマー国軍が起こしたクーデター後に大量発生した避難民の緊急支援活動を最優先で実施されています。

日本から集められたご寄付は、避難民の命をつなぐための物資として直接現地に運ばれています。

平時には、少数民族武装勢力の荒廃した土地に農地を開拓し、地元の人々によって農作物の生産が出来るようになるまで指導もされておられます。停戦になれば、未回収の遺骨収集作業も再開できます。

太平洋戦争が終戦して76年。未だ母国に戻れていないご遺骨の問題。これは私たち日本人が今こそ向き合うべき問題ではないでしょうか。

どうぞ皆様のあたたかいご協力をよろしくお願いいたします。

ご寄付はこちらへ
日本ミャンマー未来会議


フォローして活動をシェア拡散し応援したい方はこちらへ

Facebookグループ 日本ミャンマー未来会議
Facebookグループ 井本勝幸応援隊


筆者Matahari(マタハリ)からの皆さまへのお願い

今回は、日本旅行アジアさんと現地サンライズツアーズさんの主催で実現したこのスタディツアー。

実施のための準備や告知には多くの方が関わってくださり、ご参加いただいた皆様には有料にて実施させていただきました。

この度、私が聞き手となり井本様より貴重なお話をお聞かせいただき、少しでも多くの方にこの内容をお伝えしたいという強い思いから、サンライズツアーズさんのご許可を得て、わたしのnote上に、スタディツアーの内容をかなり詳しく公開いたしました。

スタディツアーの中でもお伝えしましたが、もしこの内容にご賛同いただけましたら、身近な方5人に、ぜひ井本さんの活動の内容やお言葉の数々をお伝えいただきたいと思います。

わたしも微力ながら、このオンラインストーリーテラー活動や、平和活動をされいてる方へのインタビューを続けていこうと心を新たにしております。

皆様が心おだやかに、周囲の方とつながり、平和で豊かな世界を作っていけることを願って。

筆者Matahari@マレーシア
2021年9月21日 中秋節 

(了)

よろしければ、サポートをよろしくお願いします!いただいたサポートは、マレーシアでの平和活動を続けて行く際に、大切に使わせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。