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台湾人とごはんの関係

こんにちはの代わりに

「ご飯もう食べた?(吃飯了沒?)」

と聞いてくる台湾の人々。
彼らの食に対するこだわりに、驚く人も多いのではないだろうか。とにかくもぐもぐ「食べる」ことにたしての執念たるや。最初、台湾に引っ越しをして私が圧倒されたのが食事についての考え方の違いだった。

日本人である私に出会うと多くの人は、食の話を始める。

「東京で食べた●●が美味しくて…」
「京都に行くなら、●●で△△を食べたい」
「北海道の海鮮は絶品だ、見て見てこの写真!」

おお。


実を言うと、私はおいしいものは大好きだけど、そこまで「食べる」ことに執着があるわけではない。旅行先でも結構平気でスタバに行ってパンとコーヒーを注文する人だ。でも彼らが旅行に行くときは「レストラン」を起点に旅程が決まっていく。お昼にここでご飯を食べたいから朝はそのエリアを観光しよう…こんな感じ。

また、テレビをつけると、そこでも…グルメグルメグルメ。台湾国内はもちろんのこと、日本をはじめとする海外の美食特集も多く見ることが可能。夕方のニュース番組を見ていても、番組の半分くらいはグルメ情報じゃないかというくらい。

ちなみ書店に行ってもグルメ本がいっぱい。
日本のレストラン本も多いので、私はよく参考にさせてもらっている。

そしてブロガーさんの記事ネタもグルメグルメグルメ。時々ファッションまたグルメ。

おお。


2年半の台湾生活の中でたどり着いた推測。それは、台湾の「食」に対する情熱の起点は「家族関係」ということ。食べることは誰かとつながるということを家庭の中で徹底的に教え込まれている。

最初に台湾に来たころ、仕事をしている同年代の成人男女に週末一緒にでかけない?と誘ってみたところ、結構な確率で

「昼は(もしくは夜)は家族で食べに行くから、それ以外の時間ならOK」

という返事をよくもらった。彼らは小さい頃から、何かおいしいものを食べるときは家族みんな一緒でという生活習慣があって、それが大人になったからといってなくなる、ということはないのだ。

家族全員でレストランにでかけ、大きな丸いテーブルの上に熱々の料理をはみ出るほど並べて、円卓をくるくる回しながらわーわーおしゃべりをする。どのテーブルも熱気がむんむん。

あぁ、そうか。

彼らが『食べる』ということを以上に大事にするのは、無意識的に人との繋がりを大事にしているということなんだなぁ。外食文化が根付いている台湾ならではの現象だと思った。日本では「食べる」と「家族」2点の共通点ってきっと「お母さんのご飯」であって「家族での食卓」ではない気がするから。

先日、京都に滞在中お世話になっているシェアハウスの同居人である台湾の男の子がごちそうをふるまってくれたので、とりとめもないこと考えてみたのでした。


● 台湾で今一番売れているグルメ本から読み解く「食トレンド」

聖凱師的居家料理小教室:47道超人氣料理拯救沒梗的餐桌菜色

台湾新北市の人気料理教室の先生が出版したレシピ本。なんとFBページには100万人ものファンが。今まで台湾といえば、外食文化で夜市や街角の屋台でご飯を食べるというのが定番のスタイルでした。ただここ数年で自炊をする人が増えています。そして外食文化で育った彼らにとっては、自炊をするというのはまだまだ非日常なので、料理を習いに行く人が多いとか。私の周りでも特に男性が料理を始める姿をよく見かけます。こちらの本の中身をちら見してみると、はぁおいしそう。作ってみたいと思わせる構成。

料理を作ることが「非日常」なのだとしたら…。インバウンドで台湾観光客を誘致したい時に料理教室をセットにするのも面白いかも。ただ食べたいから、作りたいに変化してきた「食」への関わり方にうまく寄り添えれば、きっと忘れられない旅を提供できるはず。

参考:http://www.books.com.tw/web/sys_tdrntb/books/?loc=subject_004

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