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2009年10月28日

引越しに伴い、以前書いた文章が出てきたのでこちらに格納しておきます。今回は2009年に水戸芸術館で開催されたヨーゼフ・ボイス展の予習メモ。同美術館では市民ボランティアによるギャラリートークが行われており、あの頃は自主学習の内容などをメーリングリストで公開してました。


 ボイスと関係の深いアントロポゾフィー(人智学)の創始者ルドルフ・シュタイナーが唱えていた「4つの気質」について。
「4つの気質」とは胆汁質・多血質・粘液質・憂鬱質といわれ
すなわち「四体液説」のどの部分が突出しているかによって人の性格を分類するものです。
それぞれの気質が内包されている人物を、キリスト四使途になぞらえて肖像画のように描いた作品がありました、アルプレヒト・デューラーの『四人の使徒』1526年。最近その記憶をやっと引っ張り出せましたので、ここに記録しておきます。
 デューラーはニュールンベルグ生まれの15~16世紀の画家で
2度にわたるイタリア旅行を通じてルネッサンスを北ヨーロッパにもたらしたことで知られていますが18世紀に同じ道を辿ってアルプスを超えたのがフォン・ゲーテですよね。
ゲーテは確か『ウイルヘルム・マイスターの遍歴時代』の中で「音楽による教育」の可能性を述べていたはずです。
シュタイナーの「オイリュトミー」や障害児への「治療教育」、バウハウスを経てボイスに至る流れ?

「4つの気質」とは切っても切れない「4大元素説」がありますが、こちらはもっと古いアリストテレスの提唱です。神智学や人智学のエーテル体やアストラル体の存在が、最近チャクラやオーラなどという言葉一緒に語られたりしていて霊感の無い私には全くわけ解らん世界ですが、歌詞や文学に頻繁に出て来る「エーテル」という言葉はたとえようもなく美しい。
コクトーの「恐るべき子供達」に出て来ますし、2001年に公開された映画、岩井俊二監督の「リリィシュシュのすべて」の中でも「エーテル」という感触の触媒、精神を満たす透明な言葉が、浄化や救いへの憧れや願いを込めて
繰り返されていていましたっけ。


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