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色について ー五方色ー その2

「五方色」と「五間色」、中国の禁色とダビデの星。

古代中国の思想に、宇宙の万物は2つの相反する性質を持つ「気」からなる『陰陽説』と、自然界は火・水・木・金・土の5種類の元素からなるという『五行説』があり、両説あわせたものが『陰陽五行説』。
韓国では、『五行説』に対応する「五方色」青・赤・黄・白・黒が色彩の
源となる正色(せいしょく)として位置づけられている。
そのことを昨日書きました。

五方色(正色)*色について-五方色- 画像3つめ参照
白は、金・西・秋に対応
無実・真実・神・純度・栄光を象徴、光の色であり吉兆を意味する

黒は、北・水・冬に対応
闇、静態など消極的な意味を持つが、人間の知恵を司ると考えられていた

黄は、中央、土、季節の変わり目に対応
尊・富貴・豊かさを象徴する最も高貴な色で五色の中心色
昔の中国は皇帝が世界の中心だと考えていたので、皇帝だけがこの色の服を着ることができた、いわゆる「禁色」というやつ。

青は、東・木・春に対応
生命、成長、崇高、苦節を意味する色で、日の出や東を象徴するので
幽霊と邪悪を追払う色

赤は、南、火、夏
情熱を象徴し、幽霊や悪を防ぐ呪術的な力を持つ色
生成と創造、情熱と愛情、積極性を意味し、最も強い色として使用されてた

このなかで東西南北という四つの方位の中央に位置し、五行で土、色彩では黄に相当するものが万物の中心にあるとされている。 
万物の中心を意味する黄色が古代中国では重宝され、唐の時代になると、黄色の染料(ウコンかな?)で染められた黄袍(こうほう)が、帝を象徴する衣となって庶民は黄色を着用することが禁止されます。*色について-五方色- 画像4つめ参照

一方、西洋世界においては、巻貝を原料として得られる貝紫や古代紫と呼ばれる赤みがかった紫色が、ローマ皇帝やその後のヨーロッパの国々を治める王を象徴する色として用いられ、黄色はユダの裏切りや詐欺の象徴として (なんでだろう?) 忌み嫌われていました。
黄色はキリスト教徒とユダヤ人を区別付けるために古くから用いられていたみたいで、ナチがユダヤ人を迫害する為に衣服に付けるように強制したものが「ダビデの星」ですね。*色について-五方色- 画像5つめ参照

ちなみに紫は古代中国では卑しい色とされていました。紫は赤と青が合体していて図々しい色であったかもしれません。

韓国の「五万色」の間に位置する色を「五間色」といいます。
*色について-五方色- 画像6つめ参照 
紫は、黒+赤 高貴・威厳
紅は、赤+白 喜び・楽しみ・穏やかさ
碧は、青+白 理想・希望
緑は、青+黄 平和・成長
硫黄は、黄+黒 肥沃・豊かさ

ここでの紫は赤と黒の混色になっているので、また別の色味だと思います。
油絵具を使った事のある人はわかると思いますが、青と赤の混色で、きれいな紫色を作るのは難しい、たぶんムリ。
ピュアな紫が欲しいときは「カドミウムバイオレット」という、やたら値段の高い絵具を買うことになっちゃいます。
 
最後になって気がついたけど、西洋色彩体系での色彩心理学では、黄色と紫は「補色」という特別な関係でした!
なんと..

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