![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/129084314/rectangle_large_type_2_96602b6256642b085ef19f32911e7bc8.png?width=1200)
さとゆみゼミ #4|頭ん中大忙しの90分
さとゆみゼミの90分間は、大忙しだ。脳がフル回転。ついていくのが精一杯だし、ゼミが終わったあとも、ぐるぐる考え続ける。脳の筋肉痛。好転反応。
?を残した2つの文章
ゼミ中に、さとゆみさんからの講評を読む。2つの指摘(?)をいただいていた。
原稿「気になる文章を紹介する」
大学生のとき、父方の曽祖母が 104 歳で亡くなった。
小学生から中学生くらいまで、ひいばあちゃんと文通をしていた。内容はおぼろげだが、私の健康や勉強のことを気遣ってくれていた。 「でせう。 」の語尾が、古文書のようで特別感があったのを覚えている。
顔にある無数の皺はすべて笑い皺でできているような、可愛い人だった。百歳で地方紙に掲載されたときには、その福々しい顔に、画家さんが肖像画を描いて送ってきたほどだ。
ときどき、ひいばあちゃんの日記を思い出す。ノートの見開きに、縦書きの文字がびっしり書いてあった。「毎日書くことあるのかな。 」と感心するとともに不思議だった。会いに行くと、ひいばあちゃんはいつも縁側に座っていた。縁側から見える庭には、コスモスが植えられていて、秋には満開になり濃いピンクに染められる。それが唯一の楽しみだと言っていた。(1)
先日、さとゆみさんの『24 時間で消えるエッセイ』を読んでいた。「満ち満ちて爆発というほどでもないけれど、物足りない感じはまったくしない。ぼんやり幸せが続いている。 」
瞬間、笑い皺いっぱいのひいばあちゃんを思い出した。毎日、特別なことがなくても、アドレナリンやドーパミンが出てなくても、おばあちゃんは「ぼんやり幸せ」だったのかもしれない。ささいな毎日のハッピーを、残さず摘んでノートに書き綴っていたのかな。
子どものとき「こんなおばあちゃんになりたい。 」なんて生意気に考えていた。「ぼんやり幸せ」 こんな人生って、かなりいい。(2)
(1)事実と感想、混ぜるな危険
「それが唯一の楽しみだと言っていた。」とひいおばあちゃんを描写したことについて、さとゆみさんのコメントはこうだ。
コメントの追加 [友佐23]: この「それ」は何を指すのだろう。花の開花?
そして、笑い皺が多くて毎日日記をつけてひ孫と文通する人にとって、コスモスが咲くこと以外はひとつも楽しみがなかった、ということになるのだけれど、そういう意味で書いたかしら。
ーーーーーーーーーーーーーー
で、この文章を??? にしているのが「唯一の楽しみ」という言葉なんですよね。唯一の楽しみ (楽しみはコスモス以外に何もない)という言葉が、それ以外の全てのひいおばあちゃんの行動と矛盾しているような気がして。
このコメントを見てハッとした。そうだ。
「それ(コスモスの庭を見ること)が唯一の楽しみ」なんて、ひいおばあちゃんは言っていない。子どものとき「私」にとって、そう見えただけだ。
感想や印象を、事実のように書いてしまっていた。混ぜるな危険。
(2)心の時制を考える「それいつのこと?」
「ぼんやり幸せ」 こんな人生って、かなりいい。とまとめた私の一文に、さとゆみさんは次のコメントをくれた。
これは、時制はいつ? 子どものときから、「ぼんやり幸せ」がいいと思っていたという意味かな?
「時制?」と思いつつ、よくよく考えてみる。
この一文の前に「子どもの時『こんなおばあちゃんになりたい』なんて生意気に考えていた」という一文がある。
「こんなおばあちゃんって、どんなおばあちゃん?」
小さな私にインタビューしてみる。
「どうせ、いつか歳をとって皺ができるなら、笑い皺だけで可愛いほうがいい。」
子どものときの「理想のおばあちゃん像」。今、さとゆみさんの言葉「ぼんやり幸せ」がリンクした。
そうか、私の理想が変容した瞬間だったのか。「笑い皺いっぱいのおばあちゃん」から「ささいな幸せを感じて、いつも微笑んでいるおばあちゃん」に。解像度がグッと上がる。
学び:心の時制を考える。いま感じていることの素は、もっと昔から、心の深くに埋まっていたものかも。
雑誌を研究する
ゼミ後半で、女性誌『STORY』と『LEE』を使って雑誌研究をした。読者を想像して、何が求められているか考える。
まずは『STORY』を10分間パラパラ眺める。ファッションやヘアメイク、良く出てくるキーワード、コラムの特徴なんかを書き留めていく。
書き留めた手がかりから、読者層を想像する。次回の課題は、誌面4ページ分の「企画」を立てること。
真面目ちゃんである私は、無難なことしか思い付かない。でも!そういえば、日常にちょっぴり困りごとがあった。一旦、それを企画にしてみようと思う。どうなることやら。
さとゆみさんは「やったことないことしか、やらない」とおっしゃっていた。まずは、やってみることだ。
おぉ〜、脳の使っていない部分がフル活動!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?