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挿絵付き文学_人間失格

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自分がピッコマで連載中の縦スクロールコミック「人間失格」の絵を挿絵に、小説の「人間失格」読んでいただこうという試みです。これを読んで気に入っていただけましたら、ぜひ縦コミ版の「人…
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ピッコマで「太宰治_人間失格」を配信します!

ども!ご無沙汰しております。横井です❕❕ 急に「夏目漱石_こころ」の投稿をストップしてし…

人間失格(挿絵付き)第21話_ヨシ子

←第20話  世間。どうやら自分にも、それがぼんやりわかりかけて来たような気がしていました…

人間失格(挿絵付き)第20話_幸福

←第19話 シゲ子だけは、と思っていたのに、やはり、この者も、あの「不意に虻あぶを叩き殺す…

人間失格(挿絵付き)第19話_ヒモ

←第18話 「あなたは、ずいぶん苦労して育って来たみたいなひとね。よく気がきくわ。可哀そう…

人間失格(挿絵付き)第18話_家出

←第17話 第三の手記  竹一の予言の、一つは当り、一つは、はずれました。惚(ほ)れられると…

人間失格(挿絵付き)第17話_後悔

←第16話 自分が高等学校の生徒ではあり、また父の名にもいくらか、所謂(いわゆる)ニュウス…

人間失格(挿絵付き)第16話_情死

←第15話 惜しいという気持ではありませんでした。自分には、もともと所有慾(よく) というものは薄く、また、たまに幽(かす)かに惜しむ気持はあっても、その所有権を敢然と主張し、人と争うほどの気力が無いのでした。のちに、自分は、自分の内縁の妻が犯されるのを、黙って見ていた事さえあったほどなのです。 自分は、人間のいざこざに出来るだけ触りたくないのでした。その渦に巻き込まれるのが、おそろしいのでした。ツネ子と自分とは、一夜だけの間柄です。ツネ子は、自分のものではありません。

人間失格(挿絵付き)第15話_ツネ子

 ←第14話  自分は、お酒を飲みました。そのひとに安心しているので、かえってお道化など演…

人間失格(挿絵付き)第14話_三人の女

←第13話 父は、桜木町の別荘では、来客やら外出やら、同じ家にいても、三日も四日も自分と顔…

人間失格(挿絵付き)第13話_非合法

←第12話 自分には、淫売婦というものが、人間でも、女性でもない、白痴か狂人のように見え、…

人間失格(挿絵付き)第12話_東京

←第11話 自分は、美術学校にはいりたかったのですが、父は、前から自分を高等学校にいれて…

人間失格(挿絵付き)第11話_おばけ

←第10話  自分が中学時代に世話になったその家の姉娘も、ひまさえあれば、二階の自分の部屋…

人間失格(挿絵付き)第10話_女

←第9話 その家には、五十すぎの小母(おば)さんと、三十くらいの、眼鏡をかけて、病身らし…

人間失格(挿絵付き)第9話_竹一

←第8話 自分は震撼(しんかん)しました。ワザと失敗したという事を、人もあろうに、竹一に見破られるとは全く思いも掛けない事でした。自分は、世界が一瞬にして地獄の業火に包まれて燃え上るのを眼前に見るような心地がして、わあっ! と叫んで発狂しそうな気配を必死の力で抑えました。  それからの日々の、自分の不安と恐怖。  表面は相変らず哀しいお道化を演じて皆を笑わせていましたが、ふっと思わず重苦しい溜息(ためいき)が出て、何をしたってすべて竹一に木っ葉みじんに見破られていて、そ