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小さな声を聴く(田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」 著:渡邉格)

世界で唯一の天然麹菌からパンを作られている渡邉格さんの 田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」 の紹介を交えて、己の内なる声を聴く大切さを今日は話していきたいと思います。

今も、問題に直面した時は、ただひたすら「菌」の声に耳を傾ける。この場所に棲む「菌」の声をただじっと聴く。「菌」たちはとても小さく、声も小さければ、口数も少ない。「菌」たちがかすかに発するわずかな声は、感覚を研ぎ澄まされなければ聴こえてこない。

菌の言葉を聞くために耳を澄ませる。うーん、私達って何かに耳を澄ませる機会って余り無いというか、ほぼ無いですよね。

声高に叫ばれている事ってよくよく振り返ってみると、声高に叫んでいる人の利益になるような事ばかりです。
宣伝なんて全てそうです。街中広告だらけ、テレビでのやかましいCM。政治もそうです。街中での街頭演説、平穏な休日のお昼をぶち壊す選挙カー。仕事もそう。口うるさい上司、要求ばかりしてくる客。

一方で、その人にとって本当に大切な事って、外から大きな声で教えてくれる事はありません。自分の奥深くから微弱なシグナルが湧き出てくるので、それに対して慎重に耳を傾ける。
その微弱なシグナルというのは身体が発する好き嫌いのメッセージです。

工業時代の教育により、やりたく無いことを決められた時間ちゃんとやる人間になるように育てられた私達は、身体がやりたくないよーと言っている事を、我慢してやる事が良い事だと、刷り込まれてしまっています。

なので、私達は自分の身体が発する声を聞く力が全く備わっていないのです。身体の声を聞かずに、頭で判断してしまっているのです。

でも、安心してください。身体の発する微弱なシグナルを聞く力は簡単に身につきます。それは「なんとなく」という感覚を大切にすることです。

手前味噌で大変恐縮ですが、私自身「なんとなく」で決めてきたことは、ことごとく正しい選択でした。大学時代に星の数ほどあるサークルの中から「ワンダーフォーゲル部」を選んだこと、就職活動の際に親方日の丸企業ではなく今の会社を選んだこと、そして奥さんから怒られてしまいそうですが結婚もそうです。

なんとなくやりたくないな」と思ったらそれはやるのをやめましょう。なんとなくやりたくない事に対して、得するからとか儲かるからとか考えて、無理やりやってしまうと、自分に向いていない事なので、大した成果は得られません。

それよりも、「なんかやりたいな」という感覚に従って行動してみましょう。そして、これを繰り返しているといわゆる「直感」が磨かれていきます。論理的思考なんて遅いです。直感が最もスピードが速いです。

これからの時代は「なんとなく」を大切にして、身体の好きな事をやらせて、「直感」を研ぎ澄ませていく時代です。

「やるべきだ」という考えを捨てて、「やりたい」という身体の思いに素直に従ってみましょう。そうすれば、より自由な日々を送れる事を間違いなしです。
もしかしたら、世界唯一のパンを作れちゃったりするかもしれませんよ。


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