インドよりベトナム。これは新興国株式投資信託へ10年以上投資した先輩からの警告だ。

僕がいま積み立てている投資信託は、NISA以外で何本かあるんですけど、先日から始まった大和証券さんのベトナム株インデックスファンドを積み立てています。と言っても、毎週木曜日に1000円分を発注するだけっていう、極めて小規模なものです。

そもそも、僕自身は新興国の投信についてはいまいちだなと思っている節があって、引いてはそれが日本で人気のオルカンとか、全世界株式インデックス投信への不信へ繋がっています。

利益は出ているが、アクティブファンドより物足りない結果に。

eMAXISの新興国株式インデックスを10年近く積み立てていたものの、ほぼ同額を積み立てていた全世界高配当銘柄投資のアクティブファンドにボロ負けしているんですよね。中国が足を引っ張ったっていう一面もあるんですけど。こりゃダメだなと思って解約しました。

それでも、新興国をノーマークなのはバランス的には良くないと思って、金投資とほぼ同額をベトナムに突っ込んでいます。保険みたいなもの。

インドじゃなくてベトナムです。

日本だとインドが人気みたいですけど、僕の肌感覚だと、インドよりベトナムなんですよね。京都周辺の製造業、村田製作所とか堀場製作所とかオムロンとか京セラとか任天堂とかパナソニックの方々から話を聞いたり、あとは僕の本業であるソフトウェア関連でもインドよりベトナムへ進出しているほうが多いことも知っていたりして、僕が死ぬまでに、インドより平均的に、高確率で現代化するのはベトナムだろうと。もう僕もおじさんなんで。金融資産を引き継がせたい子孫がいないので、ベトナムでいいんです。

インドは中国やパキスタンと国境紛争を抱えていること、全方位外交がこれからの世界情勢で不利になる可能性が高いこと、国内政治の不安定さや身分差別(カースト制度)の残存、宗教政策など、社会的不安定性がベトナムより遥かに高い、という点もマイナスです。

その点、社会主義を標榜しながら極めて民主主義に近い政策を取り、外交巧者であるベトナムは社会情勢が安定しているので、日本企業も進出しやすい。工業化が進んで人件費が高騰している中国の代替になるのはインドではなくベトナムで、さらに中国よりも政権の親和性が資本主義陣営に近いので、少なくとも、僕が死ぬまでにはインドよりベトナムという選択肢になります。

たとえば、インドや中国、ベトナム以外の選択肢として、マレーシアなどは日本からの距離的・シーレーン防衛の観点からはベトナムよりも優先度が高くなりそうにも思えますが、宗教問題や民族構成の複雑さから治安が安定しておらず、日本の大手企業からは敬遠されているのが実態です。

一方のベトナムの問題点は汚職と言われていますが、宗教問題や民族間対立より遥かに軽いです。汚職を言い出したら、それこそ中国には投資できませんので。

インドよりベトナム。どうです、ベトナム投資。

みんな、GDPで日本がインドに抜かれる! みたいな数学的な問題と、経済と国民生活の実態をごっちゃにして見ているでしょ。国民全体が享受できる豊かさ、経済市況の安定さはそういう統計学上の数字とは別物だって、中国経済の実態が見えた今こそ、本当は分かっていると思うんだけど。結局、図体のデカさに騙されていたんだよね。

そこで気付いたのが、ああ、今のインドって、昔の中国と同じだ、っていうこと。華やかなりし未来を期待され、人口が増え続け、経済成長が続いてく、先進国が失ったすべてを持っている、輝かしい未来を仮託された国家だって。危うく、同じ轍を踏むところだったと。

ポーランドやチェコなんかの中欧諸国とインド、どっちが先進的で現代的だと思う? 統計学的なトリックじゃなくて、実態に即した数字もきちんと考慮して投資しないと、10年以上投資してやっと失敗だと気付く僕みたいになりますよ。

これは先輩からの警告。

ただ、これはインドへ投資するなと言っているわけではなく、少なくとも30~40年のスパンで投資するならおそらく十分なリターンが期待できるはずで、それよりも短い期間でのリターンを求めるならベトナムと言っているだけで、言わば老い先短いおじさんへ向けたおじさんからのエールだと思っていただきたい。中国だって、僕があと20年くらい我慢すれば100%くらいのリターンはあるかもしれないし。

※投資は自己判断でお願いします

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