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『宮崎デカ盛りの店』のオープンにかかった費用を完全公開!

『宮崎デカ盛りの店』は現在『宮崎ひなた横丁』というシェア型レストランで営業しています。

この「シェア型レストラン」は、飲食店開業のための初期費用を抑える事ができるのが最大のメリットです。
一般的に飲食店を開業するのにかかる初期費用は1,000万円とも2,000万円とも言われていますが、『宮崎デカ盛りの店』が開業するまでの実際にかかった費用を公開しようと思います。


①全ての出店者が共通で払う必要があるもの

・初期費用   200,000円
・営業許可申請  27,000円
(※)
※宮崎ひなた横丁では、店舗(ブース)ごとに営業許可が必要です。

②『宮崎デカ盛りの店』として必要だったもの

・ユニフォーム類  33,000円
・POP等の印刷代  10,000円
・食器や調理器具  220,000円
・撮影用の食材   20,000円
・その他の備品   30,000円

※金額は概算

③最終的には

合計金額    550,000円
※あくまで開業までのコストです。営業用の食材発注などの仕入れや、関係者の移動宿泊等のコストは含みません。

ここから、それぞれの項目について、簡単に解説していきます。


初期費用・・・200,000円

初期費用は「お店をオープンさせる際に必要な手続きやシステムの利用料」といったイメージ。

宮崎ひなた横丁のHP内のお店紹介部分。シェフや料理の撮影も初期費用に含まれます。

入居する横丁のホームページにお店の情報を追加したり、店内の看板を作ったり、初期プロモーションとしてグルメメディアfavyで紹介されたりと、工数的な面で考えると納得感のある金額です。

来店されたお客様が実は初期費用で作った紹介記事を読んでくれてた。とかメッチャ嬉しいです。

営業許可申請・・・27,000円

「宮崎ひなた横丁」では、営業許可は各出店者(出店区画)ごとに営業許可を取得する必要がありました(※)。そのため、申請にかかる費用として2万7千円が必要でした。

営業許可証はお客様から見える場所に掲示する決まりだそうです。

※飲食店の営業許可は、お店がある市区町村の保健所が管轄しています。
おそらく、許可に必要な資格や書類の基本的な部分は全国で同じだと思うのですが、細かい解釈や手続きは各保健所ごとに異なります。
他の県のシェアキッチンでは、建物で1つの営業許可でOK。という場所もあるそうです。

厨房設備や客席の施工費、会計などのシステム費用がない理由

キッチンブースに基本的な機材は揃っています。冷蔵庫・冷凍庫・シンク・コンロなどサイズや配置はブースにより様々。
業態的に必要な機材がある場合は各出店者が用意する必要がありますが、できる範囲で運営会社(favy社)と建物の大家さんが改修に対応してくれるそうです。
今回『宮崎デカ盛りの店』では入居予定のブースに「不要な焼台」があったのでそれを撤去してもらいました。
ガス管から外す際にガス会社との調整が必要とのことで、撤去に数日かかっていたので、店が負担するとなるとそれなりに費用が発生していたかも。

入居当日、いきなり仕込み作業ができました。

客席フロアも全店の共通設備としてすでに完成しているので、お店の内装工事などの必要はありませんでした。
店舗を構える場合に必要な不動産契約や内装工事などの費用はゼロとなりました。

インフラ契約手続き不要という圧倒的なスピード感

店舗をオープンさせる場合に意外と手間がかかる電気・水道・ガス・ネットワーク・ゴミ回収などのインフラ周り。
シェア型レストランの場合、運営会社が事前にインフラ契約を済ませていたので入居の時点で全て利用可能となっていました。

1階は提灯の明かりで温かいライティング
2階は違った雰囲気。半個室も。

『宮崎デカ盛りの店』オープンに必要だった経費

ユニフォームやPOPなどの印刷はギリギリで発注したために「特急料金」が加算されています。
計画的に発注できていれば、そのあたりのコストは小さくできたと思います。

エプロンはレセプション前日、帽子はレセプション開始2時間前に届くというギリギリのスケジュールでした。

ハード面(設備)とソフト面(予約システムや注文システムなど)が完成しているので、出店者としては商品(料理)に集中できるのが、このシステムの特徴でありメリットだと感じました。
飲食業の経験があって勝手がわかっている人や、2店舗目の出店などで具体的に「このメニューで勝負してみたい」という料理のイメージがすでにある人であれば、出店までの期間は更に短くなると思います。

調理器具・食器類・・・220,000円

ここが結構コストかかっているように見えるかもしれませんが、デカ盛りという業態からくるコスト増や飲食未経験者ゆえの無駄な部分なども多かったと反省しています。

冷蔵庫・冷凍庫やガスコンロ・フライヤーなど、基本的な厨房の設備は用意されていますが調理器具は自分で揃えなくてはいけません。
「宮崎デカ盛りの店」では、低温調理器や、低温調理に使用する湯槽などの専用の器具が必要でした。
また「デカ盛り」ゆえ、炊飯器も大型のものや、食材の保管・保温用に複数台用意の必要があるなど、機材の種類だけでなく、台数も多くなりました。
食器も「デカ盛り」に対応するサイズや強度のものを揃えました。
しかも私が東京で手配して宮崎に発送したので、送料が余計にかかっていたり、オープン直後にいくつか機材がいきなり壊れて買い直したり、といったハプニングもあって、最終的にこの金額となっています。

システムやソフト面についても少し触れておきます

シェアキッチンではメニューもデジタル化されており、注文はモバイルオーダーのシステムを使っています。

そのため営業開始前に、デジタルメニューに画像を登録する必要があります。
コストの「撮影用の食材」はこの部分。メニューに掲載するので、全ての料理を用意する必要があるのと、『宮崎デカ盛りの店』の場合はオープン直前までお料理の改善やメニュー追加をしていたので、複数回撮影や試作をすることになりました。
メニュー写真を持っている場合は、このコストは不要になります。

家賃は売上歩合なので、前家賃不要

賃貸契約の場合、前家賃(しかも飲食など事業用の場合は何ヶ月分も!)を払うと思うのですが、シェア型レストランでは前家賃は必要ありませんでした。
家賃は売上に連動(※)して決定するので、後日計算されて請求されます。
このスタイルは、お客様が定着せずに売上が安定しないオープン直後は特にありがたいと感じています。

※物件や契約内容によって比率は異なると聞いています。
実際には、固定費(共有部分の光熱費など)と売上に連動する家賃を毎月支払う必要があります。

飲食未経験でも簡単にお店が作れるのは間違いない。

結論として、飲食店でのアルバイトや勤務した経験がない状態でも、20日でプレオープンすることができました。
企画スタート(何の準備もされていない状態)から20日間でプレオープンすることができたのは、店舗のハードとソフトの両面が用意されていて、自分自身は料理の準備に集中できたからだと思います。

飲食業未経験の方がお店を出す場合には注意も必要です。

飲食店を運営する以上守るべきルール、特に衛生面などを知らないと食中毒など、多くのリスクを抱える事になります。
飲食店における正しい衛生管理については、開業前にきちんと勉強しておく必要があります。

料理監修の米山さんから、衛生管理などについての授業を受けました。

情熱があれば、誰にでもチャンスはある!

実際に素人が宮崎ひなた横丁に入居し、『宮崎デカ盛りの店』をつくるまでの費用を解説しました。
飲食業とは関係のない会社員でも、55万円の費用と20日間の準備でお店をオープンさせることができています。
入居後、お店の営業時間や営業日もある程度自由にできるので、副業でもなんとかやれています。

全てをなげうって飲食店にチャレンジするのではなく、副業で、安全な範囲で飲食店を試してみる。といった使い方もできるので、是非一度、詳細な説明を聞いて欲しいです!


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