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【株式会社KODEKAより残秋のお知らせ】

空深く澄み渡る好季節、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
株式会社KODEKA代表の横田翔より皆様に、残秋をお知らせいたします。
≪この記事は約2分で読めます≫

目次
■秋朝の美しさ
■終わりの挨拶

■秋朝の美しさ
日本における四季は秋冬の朝に格別の美しさを提供してくれる。
もちろん、風光明媚と言えるほど風情ある場所の朝なら言うことはないのだが、高層ビルが並び日中は空気が淀む都内にも、都内だからこその美しさがある。

昨日、いつもより朝早く目覚めたので所在なく外に出てみると、2羽のカラスが隣のマンションのアンテナにとまっていた。僕は『東京のカラスのことだ、きっと早朝に繁華街のゴミでも漁った帰りに休んでいるのだろう』とぼんやり眺めていた。

彼らはしばらく休んだあとに一声ずつ鳴き、空に向かって飛び始める。
真っ青でどこまでも伸びる秋の空、2羽のカラスは何者にも邪魔されず、ただゆっくりと旋回しながら上へ、上へと昇り始める。東西南北どちらにもいかずメリーゴラウンドのようにゆっくりと昇りはじめる。

2羽のカラスは透明な朝の空気を楽しんでいるようにも、全方位を監視しているかのようにも見える。10秒かけ、30秒かけ、1分かけてもまだ、どちらの方向にもいかず上昇を続ける。そのような光景をはじめてみた僕は、すっかり釘付けになっていた。

正確な距離は分からないが、2羽のカラスはすでに100m~200mほど上空を飛んでいる。一般的にカラスはとても頭がよく、餌が見えなくなる高度は飛ばないし、まずそもそも無駄に体力を消耗しないと聞いていた。しかし、僕の見ているカラスたちは間違いなく100m~200m上空を飛んでいる。

途中で確信したが彼らは監視なんてしていない。監視をするもの特有の気配はそこにはなく、ただ秋朝の風を楽しんでいるようにしか見えなくなっていた。正しくはそうであると信じたくなっていた。

その後も2羽はひたすら旋回しながら上へ上へと昇っていった。
僕はカラスが見える位置を歩き探し、できる限り視界に入るよう追いかけたが、家の近くのお寺の脇にある小路にたどり着いた時に彼らを見失った。

おそらく彼らはその後も上へ上へと飛んでいったのではないだろうか。
  
秋を楽しむのはなにも人間だけではない。僕に関していえばカラスたちのように秋を楽しめていなかった。いや秋だけではない。“忙しい”を言い訳に、無感覚で幾多の季節を通過してしまっていた自覚がある。

頭のいいカラスたちが合理性を排除して“ただ飛ぶこと”で四季を楽しむ朝に、自然を自分の持ち物のように楽しむ方法を教えてもらえた。何もせずに感じるだけで十分すぎるほどの美しさが都会の秋朝には在ったのである。
  
彼らを見失ったあと太陽の当たる道に戻り空気を吸い込めるだけ吸い込んでみる。これから忙しくなる一日を想像しながら、今度は太陽に顔を向けてゆっくり息を吐いてみる。

うん、今日も戦えそうだ。
  
■終わりの挨拶
お付き合いいただき誠にありがとうございました。
とても最後になりましたが、今後ともKODEKAをよろしくお願いいたします。
会社HP:https://kodeka.co.jp/

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