見出し画像

2021年の創作活動まとめ

みなさま、あけましておめでとうございます。

創作TALKさんの企画「#創作2021_22」に参加します。
企画については下記ツイートのツリーをご参照ください。

※昨年の参加記事はこちら。

自己紹介は下記の記事にあります。

ざっくり言うと、主にシビアめなファンタジー小説と情報系の同人誌を作っているよ、という人間です。(昨年と同じ)
具体的にどんな本を作っているかはBOOTHをご参照ください。

今回のサブテーマ「創作とイベント」も絡めつつ、昨年とほぼ同じ構成で2021年の創作活動を振り返ってみます。
長くなりますので、適当に読み飛ばしてくださいね。

2021年に書いたもの/作った本を振り返ってみよう

ここ(note)でやってるごはんとじゃがいも系の記事は(カウントするのが面倒くさいので)除き、小説のことについて、本文の短い引用とともに振り返ります。

BOOTHで購入できるもの、カクヨムで公開しているものはそれぞれリンクを貼っておきますので、興味がおありでしたらぜひご覧ください。


・『外伝集 暁天/払暁Ⅱ』(2021年4月刊行)約25,000字

「暁」の架空歴史長編「暁天の双星」「隠者は払暁に眠る」の外伝集第2弾で、シリーズの完結作となる短編集です。
後述するテキレボEX2の期間延長に伴い、せっかくなら新刊を増やせないかと考えて、「払暁」の脇キャラにスポットライトを当てた「カイハーン」「ダンバーとグスターヴァス」「シンディ」「グエン」の四編を書きました。

字数はたいして多くないものの、書き慣れない三人称神視点で書いた「ダンバーとグスターヴァス」は内容ともども難儀した覚えがあります。

コアなファン(おるんか?)向けの本だし~と少なめに作ったつもりなのですが、思ったより残っているので「暁天」「払暁」両長編をお持ちの方はぜひよろしくお願いします……。

「なぜだ? 俺は神に選ばれた皇帝になる男だ。なのに、神の戒めに背く心を持ち合わせている。俺は確かに信心が足りないが、あえて神に逆らおうと思ったことは生まれてこのかた一度もない。俺の心はどこから来た? 神がそうなるように俺を創ったのか? 何のために? これも『試練』だっていうのか?」
(「ダンバーとグスターヴァス」)


・「リンゴの恋が実るとき」(2021年9月web公開)、約9,000字

橘紀里さん主催「第一回アップルパイ(恋愛)文学大賞」に寄せて書いた、メルヘンチックな短編です。ひとはしぬ。
主人公がリンゴの木で人間の女性に恋するという、変化球的な恋愛物語になりました。

ちなみに、作中の固有名詞はすべて実在するリンゴの品種名から取られております。
元ネタになっている各品種については、芋やフィナンシェだけでなくリンゴにもお詳しい我らが芋研ゼミ長、雲形ひじきさんが解説してくださっていますのでこちらもご参照ください。

本作の同人誌化は未定です。
せっかく本にするならひじきさんの解説もカラー写真付きで一緒に載せたいですな~などと話しておりましたが、実際にやったらそっちがメインになっちゃうな~!

「リンゴ君はね、あのリップという娘に恋をしているんだ」
「恋だって?」
 ガラが持ち前のダミ声を張り上げて笑いました。
「恋ってあんた、リンゴは木だよ、木! 人間相手に横恋慕したって、どうしようもないじゃないか」
「そう、どうしようもないのが、恋なんだよ」
 サンサがくいと顎を上げて、視線を遠くに投げました。


・『著作権フリーおじさん』(2021年9月刊行)、約31,000字

都内でモデルをやっている(らしい)どことなく謎めいた叔父さん「マナちゃん」と、小学六年生の姪「カナちゃん」との短い交流を描いた作品です。やっぱりひとはしぬ。(マナちゃん)

同人誌は後述するオンラインイベント「ジャンル迷子オンリー」合わせの新刊であり、イベント内のアンソロ「漂流」に寄せた「二十九才の別れ」が併録されています。

ファンタジー要素のない現代物ですが、気がつけば『時柴流星の変身』所収の「時柴兄弟の変心」同様、「漠然と抱いていた夢を諦めていく人」を書いていました。
ヘキなのかもしれません……

本作はタイトルを褒めていただくことが多いのですが、ロックバンド「ニガミ十七才」のYouTube動画を観て思いついた作品なので、どうぞ企画なさったスタッフのみなさんを褒めてください……。
元ネタ動画貼っておきます!

なお本作では、カクヨムでの書き下ろし連載に初めて挑戦してみました。

カクヨムはこれまで同人誌掲載作品の保管庫として使用するに留まっていました。
しかしながら2021年も、昨年に引き続きあまりイベントに参加できないので、カクヨムも活用してみることにしました。

紙に印刷されてしまう同人誌と違って、webはいくらでも書き直しが利くので、比較的気楽に載せられるのがよいところだなと思いました。
(真剣に推敲してらっしゃるweb作家さんには怒られてしまいそうですが……)

「ちゃんと完成させたものを出したい」と考えるあまり、どんどん手数が少なくなってしまう短所が私にはあったので、本作を通じて少し改善されたかなと思います。

同人誌版も少し残っていますし、もちろんカクヨムでも全文読めます。
タイトルのキャッチーさや手頃な文字数のおかげか、2021年12月現在で自作品中最も多く★が集まっている作品になっています。ありがたや~。

「もし今日この後マナちゃんが失踪したら、警察の人に『豚が助けを求めてるTシャツ着てました』って証言してあげるね」
 これはクラスの友達の間でお決まりのやり取りだ。こういう変なTシャツや、派手すぎる服や、失敗コーデの子に言う。相手が「おう、頼むわ」と軽く応じるまでが、ワンセットになっている。
 四十歳のマナちゃんは、薄く笑ってこう返した。
「おれみたいなおじさん、いなくなったって誰も探してくれねえよ」


・「十一月とともに過ぎゆく」(2021年10月31日~12月1日web連載)、約50,000字

ブラック企業で心身を病み、都心を離れて亡き祖父母の家でひとり暮らしをすることになった青年大沢旬と、記憶喪失の幽霊おじさんシモツキさん(仮名)とのおかしな共同生活。
綺想編纂館さん主催の「ノベルバー」参加作品で、お題に則して即興的に書いた掌編の連作となっています。(が、実質ただの中編かもしれない)

全体的にはほっこりした話ですが、とにかくオンタイム更新に追われたのと、ブラック企業でやられた私自身の過去をほじくりながら書いたのとで、だいぶ消耗しました。旬君ほどひどい目には遭ってませんが……
あのブラックな日々も、本作を読んでくださった皆様にほっこりしていただけたなら無駄ではなかったなと思います。
いまはとても元気ですのでご心配なく!

KaLさんに書いていただいたレビューにもある通り、ノベルバーの性質を生かしたいなと思って構成もちょっとひねってみましたので、その辺もご注目いただけましたらうれしいです。

いや~日常生活ネタが出ない回は「*」をつけるに限るわ~(本音)

こちらは2022年秋頃には同人誌にまとめたいなと思っています。書き下ろしも追加したいな~。

ノベルバーは今回で終了だそうですが、2022年からはまた別の月に同趣旨のイベントを企画なさっているようです。
スケジュールに余裕があればまた参加してみたいです。

「そうだった、そうだった。いいなあ、生きてるってうらやましい」
 おじさんはわざとらしく肩を落としてみせる。
 僕は三度目のため息をついた。
「……シモツキさん。霜月一郎」
「ん?」
「仮の名前が欲しいって言ってたじゃないですか。あなた十一月一日に現れたから、霜月一郎、でどうです」


今年書いたものは以上です。
あんまり書かなかった一年だったな~と思っていましたが、合計すると115,000字になりました。長編1冊分くらいは書いてる!

小説は自分の意志で書くものというより、外から書くように仕向けられるものという印象があります。
特に今年書いたものはイベントや企画きっかけだったり、面白い公式動画きっかけだったりして、まさに書かされた、書かせてもらったものばかりのように思います。ありがたいことです。


2021年に参加したイベントを振り返ってみよう

リンク集参加のみのイベントは割愛します。

・2020年12月26日~3月21日 Text-Revolutions Extra 2(オンライン)

※購入サイトは公開終了しています。

1月に会期終了するはずが、まさかの延長で発送がゴールデンウィーク前まで食い込んだテキレボEX2。

長期間モチベーションをキープするのが難しかった面もありますが、延長したおかげで追加のご注文もいただけましたし、新刊『暁天/払暁Ⅱ』を出すこともできました。

メンバーズとして発送作業のお手伝いもさせていただきました。そのときの記録も残っています。

さて今回は自主企画も主催してみました。
架空世界の歴史物作品を集める「架空歴史フェア」です。

noteを使えば簡単に運営できるかと思いましたが、全然そんなことはなかったです。
イベント終了後のリンク解除や「終了しました」のお知らせなど、全ページ個別に編集しなければならないので、すごく面倒くさくって……
素敵にプログラミングとかできる人ならやりようがあるのかもしれませんが……。

noteはテキレボ自主企画には向いてません!(ニッチな学び)

いろいろ不手際も多かったのですが、ご参加くださった方々が寛大にスルーしてくださったおかげで無事終了できたと思います。(その節はお世話になりました。ありがとうございました!)

頒布を継続している参加作品も多数あると思いますので、いまからでもマガジンをチェックしてみてくださいね。

ちなみにテキレボEX2期間中の2月21日にはコミティア135に参加する予定でしたが、残念ながら中止となりました。


・9月26日 第0回ジャンル迷子オンリー(オンライン)

2021年はpictSQUAREを利用したオンラインイベントにも初めて参加しました。

「架空世界モノではあるが魔法や幻想生物といったファンタジー要素がない」
「異世界ファンタジーだけでなく現代モノも書く」
「毎回ジャンルとテーマが変わるうえに小説・漫画・イラストが混在した合同誌がある」
(※空想工房)
「そもそも小説サークルなのに芋の本がある」(※フィナンシェヤクザとシネマ芋先輩)

などといった迷子要素満載の我がサークルには、ジャンル迷子オンリーさんはうってつけのイベントだったと思います。

主催の草群さんが細やかに宣伝をRTで支援してくださったり、webアンソロはじめ企画をたくさん用意してくださったりして、すごく楽しいイベントでした。
そのおかげもあって、新刊『著作権フリーおじさん』以外にもいろいろとお手にとっていただけて、非常にありがたかったです。

ただ、イベント当日はワクチン接種2回目の直後だったため、副反応でぐーすか寝ていたためあまり在席できませんでした。
(副反応といっても、どこかが痛いなんてこともなく、ただ身体がポカポカしただけで終わりました。)

本イベントにて「フィナンシェヤクザとシネマ芋先輩」名義『おいもをおいもとめて vol.1』が完売となりました。
ひじきさんのBOOTHでPDF版のダウンロード頒布がありますので、買いそびれた方はこちらもよろしくお願いいたします。
売上はヤクザと先輩が芋を食べる資金になります!!

イベントは終了しましたが、特設サイトは現在も上記のリンクから閲覧可能なようですので、ぜひのぞいてみてください。

ジャンル迷子オンリーさんは次回開催も構想されていらっしゃる……? ようなので、ぜひまた参加させていただきたいです。

また、これに合わせてpictSQUAREの通販店舗も作ったので、ほかのオンラインイベントにも参加してみたいなと思っています。


・10月16日 第3回TAMAコミ

4月に開催された第2回は見送ってしまいましたが、第3回は参加できました。2021年初の直参イベント、空想工房との合体配置で鉄子さんのご本もお預かりしました。

TAMAコミ名物といえばマネチキ!
独特の味つけでめっちゃおいしいんですよ。

イベント自体は良い雰囲気なのですが、天気がイマイチだったのと、開催地が少しばかり行きづらいのもあってか、集客が少なすぎたのがちょっと残念でしたね。
会場が小さいので、創作オールジャンルにするよりは漫画・イラストオンリーとか、文芸オンリーとか更にジャンルを絞るほうがいいのかなあと個人的には感じました。

イベントの企画ってむずかしいですねえ。

晩ごはんは昨年に引き続きぎょうざの満洲でした。
※ちょっと頑張れば歩いて行ける距離にあったので、福生から餃子を持ち帰るのはこれが最後かと思います。名残惜しいですね!(何が)


・11月23日 第33回文学フリマ東京

2021年最後のイベント参加は文フリ東京でした。
ひじきさんとの合体配置、しかもお誕生日席!
感染状況も落ち着いていた時期で来場者も多く、すごく賑わっていました。
ちょっと離席するのがためらわれるくらい人が来る~!

売上はさほど多かったわけではないのですが、鉄子さんの委託本と一緒にPRしたムーミンが持込分完売となりました。鉄子さん効果だ! ありがたい!

せっかくだから特集POPもみてくだされ。

A4鉄子さんPOPweb

お隣のひじきさんのブースでも『実録フィナンシェヤクザ』の「フィナンシェ200個レビュー」に吸い寄せられる方が多数いらっしゃってましたね。
来客数が多いイベントでは、事前の宣伝より当日一番目立っている本が一番売れるんだなあ~と、ふたりでマックフライポテトをつまみながらうなずき合ったのでした。


以上、2021年は直接参加のイベントに出られない分、カクヨムを前より活用してみたり、初めてpictSQUAREを利用したオンラインイベントに参加してみたりと、新しい試みをやってみた年になりました。

もちろん気兼ねなくイベント参加できる世の中が戻ってくるのが一番いいのですが、コロナ禍においても目先を変えて活動できたのは良かったかなと思います。


直近の予定と2022年の抱負


現在決まっている直接参加イベントは、以下の通りです。
・2月20日(日)コミティア139
・5月29日(日)第34回文学フリマ東京

コミティアは今回文芸ジャンルではなく、ファンタジー島でKaLさん&かんじさんのサークル「Jyjy&Vava ~じじとばば~」との合体配置です。
新刊は特にありませんが、引き続き鉄子さんの漫画&イラスト集と、空想工房の会誌を何種類かお持ちします。

5月の文フリ東京は毎年仕事の繁忙期と重なって出られなかったのですが、今回は日程が月末になったことで参加できそうな感じです!
うれしいな~。
何か小さい新刊を出せたらいいなと思っていますが、仕事がずっとヤバめなのとピクミンブルームにドハマりしてしまったのとでどうなるかは分かりません……。

途中休憩を挟めば、30㎞くらいなら元気に歩けるようになりました。
体力の改善が創作にも繋がればいいね……。


その他、参加イベントが決まり次第Twitterのほうでお知らせします。

また、現在合同誌とアンソロジーのお誘いを2つ頂戴しています。いずれも2022年中に発行される予定のご本なのですが、まだ一文字も書けていないのでちゃんと書き終わってからアナウンスしますね……。


そんなこんなで2022年の抱負は何よりもまず「原稿をちゃんと間に合わせる」ことですがそれは当たり前すぎるので、

「次のファンタジー長編を書く」(※完成させるとは言ってない)

くらいのことはフカしておきたいと思います。

「竜の灯は泥河に流れ」の長編化か、まったく別の話になるかすら未定ですが、よかったら見てやってください。

あと徒歩で山手線一周をやりたいな!!(ピクミン的抱負)


ここまで読んでくださってありがとうございました。

2022年、みなさまにひとつでも多くよいことがありますように。

いいなと思ったら応援しよう!

泡野瑤子(阿波/シネマ芋先輩)
頂戴したサポートは各種制作費に充当いたします。