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チック・コリアへの想い

先日亡くなったジャズ界の巨匠チック・コリアについて。

チックが亡くなったニュースを夜中に知って、一瞬呆然となりました。高齢だったのでいつかはこういう時も来るとは思ってはいました。でも、その後寝付けなくなって、残念で寂しくて涙も出てきて、最近はあまりチックの音楽を聞いていなかったけれどこんなに好きだったんだな…と改めて実感しました。

ニュースを聞いた後、noteに記事を書こうと思っても、あまりに急だったのと、色々な気持ちが湧いてきてなかなか書けませんでした。

最後にライブに行ったのは2年前のブルーノート東京でした。良い席が取れて、かなり近くで見ることができたのが良い思い出になりました。

チック・コリアとの出会いは大学生の時。初めて聴いたのが「リターン・トゥ・フォエバー」。ヘッダーにしている有名なカモメの写真のジャケットのアルバムです。ジャズ界だけでなく、ロックやポップス界にも影響を与えた一枚だと思います。

私はそこから遡ってチックの音楽を聴くようになりました。大学生の時に授業をサボっては池袋にあったジャンゴというジャズ喫茶に毎日通い、ジャズ全般を聴くようにもなりました。

ジャンゴでチックのA.R.C.というアルバムを一度リクエストしたら、それ以後私が入店するとマスターが必ずこのアルバムをかけてくれるようになり、大学時代の思い出の一枚になりました。

大学を出て収入が得られるようになると、チックの参加しているアルバムを買い漁るようになりました。毎月3枚くらいだったと思います。お給料をもらうと、その日にレコード店に立ち寄って買っていました。

結婚してから、フランチャイズの子どもの英語教室を開いた時、教室名はチック由来のものにしたくて Toy Room にしました。これはチックの70年代のオリジナル曲の名前です。


過去記事にも書いたのですが、昨年私がレコーディングしたアルバムの収録曲のうち2曲にフェンダーローズという電子ピアノを使いました。

これはチックがフュージョンのアルバムでよく使っていた楽器で、特にDreamsという曲は、作曲の時からこの音!とイメージしていたものでした。

チックが使っていた楽器ということでの思い入れは強かったです。紆余曲折あってやっと決まったレコーディングスタジオにフェンダーローズがあったことが嬉しかったです。

チック・コリアと言えば「スペイン」や「ラ・フィエスタ」が有名ですが、ここ数年の演奏の中で私が特に感動したのが、バンジョーのベラ・フレックとの共演による「セニョリータ」です。

チック他界のニュースを知って、落ち着いてから最初に聞いたのがこの曲でした。

緻密に絡み合う織物のような演奏が素晴らしいです。

⚫︎私が特に好きだったリーダーアルバム5選です。(写真上段左から)

・return to foever…お馴染みの「ラ・フィエスタ」が入っています。歌の入っている曲は他のアルバムのLight As A Feather が好まれているようですが、このアルバムで同じフローラ・プリムが歌っているWhat Game Shall We Play Todayも大好きな曲です。ポップで抜けるように明るいイントロで心が癒されます。

・THE MAD HATTER…不思議の国のアリスをモチーフにしたアルバム。ハービー・ハンコックと共演している「マッド・ハッター・ラプソディー」が最高。

・FRIENDS…全曲素晴らしい。ほのぼのした序盤から、圧巻のラストへと、エンドレスで聴いていたいアルバムです。

・My Spanish Heart…一曲目の「ラブ・キャッスル」が好きで、こんな曲をいつか書いてみたい憧れの一曲です。

・Light As A Feather…上記した歌入りのタイトル曲と、チックの代名詞とも言える「スペイン」が入っています。

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最後に、YouTubeから、2015年のクリスマスにアップされたいかにもチック・コリアらしい動画です。奥さんのゲイルと一緒で幸せそう。アルバム THE MAD HATTER を思い出させるゲイルの美しい歌声も聞くことができます。チックが奥さんを愛していたことがよく分かります。

 チック・コリアに、たくさんの素晴らしい曲と演奏を残してくれてありがとうと伝えたいです。

May he rest in peace.







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