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スペイン語の辞書(医薬編)

いわゆる医学英和辞典はいろいろ出ているけど、私が知る限り、専門文書(医薬論文、診断書、治験関連文書など)の翻訳に使える医学西和辞典というのはありません。なので調べ物に英語は必須です。

学術用語はラテン語やギリシア語起源のものが多いので、スペイン語の専門用語を英語に置き換えるのはそんなに難しくありません。たとえば、スペイン語でinfarto de miocardio(心筋梗塞)は英語だとmyocardial infarction。なので、慣れてきたら、ある程度はスペイン語の辞書を使わなくても脳内で英訳して医学英和辞典で調べるというワザが可能です。とはいえ、すべての単語がそうとは限らないし、やはり慣れるまでは、きちんと裏取りしながらスペイン語→英語→日本語というプロセスを経るのが大事。そこで使える辞書がこれ↓

Real Academia Nacional de Medicina de España(RANM:スペイン王立医学アカデミー)の無料オンライン辞書

紙版もあるようですが(アマゾンで15000円ぐらい)、このオンライン辞書はかなり優れもので、無料なのが申し訳ないぐらい。お薦めポイントはなんといっても英訳が載っていること。なので、スペイン語の医薬文書を和訳する場合には、

RANMの辞書で英訳を確認→医学英和辞典で訳語と意味を確認

という手順を踏むのが確実で早いかと。ここで大事なのは、用語説明がしっかりした医学英和辞典を選ぶこと。誤訳を防げるのはもちろん、周辺情報を得ることで他の用語の意味を特定するヒントにもなります。個人的には一推しが医学書院の医学大事典、次にステッドマン。収録語数が多くて値段も手頃なのは南山堂の医学英和辞典と研究社の医学英和辞典(一般辞書の記事でべた褒めしたジャパンナレッジにも収載)ですが、説明が簡潔すぎるので、結局そのあと裏取りする作業が必要になってきます。

ただ、Windowsで使えるものもあれば、iOSでしか使えないもの、電子辞書(医学モデル)に収載されているものなどさまざまなので、結局は自分にとって使いやすい手段(パソコン? タブレット? 電子辞書?)を見極めて、その中で使えるものを選ぶのがいいような気はします。

*街歩き大好きなのですが、なかなかコロナ前のように気軽に出かけられなくなってしまいました。気分だけでもということで、過去に撮ったお気に入り写真をアップします。上の写真は住吉大社の手水。

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