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NDIとNDI HXの違い

NDIは、高品質・低遅延が特徴のIPビデオ伝送規格です。ここ最近、動画配信やビデオ会議アプリを使ったリモート出演が普及したことで、様々な方面で注目を集めています。NDI対応製品を調べていると「NDI|HX」という表記を見かけます。「HX」が何なのか気になったので調べてみました。

NDIとNDI HX

NDIには「NDI」と「NDI HX」の2種類があります。区別するためにNDIのことを「フルNDI(Full NDI)」と表現することもあります。

NDIについては別の記事で紹介しているので、今回はNDIと比較したNDI HXの特徴をメインに書きたいと思います。

NDI HXとは?

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「NDI HX」の「HX」は「High Efficiency(高効率)」の意味だそうです。フルNDIよりも高圧縮・低帯域幅で映像を伝送できる点が特徴です。

NDI HXは、H.264の圧縮方式を利用していて、画像を低ビットレートで伝送できるように圧縮しています。

帯域幅はどれくらい?

NDI HXの最大の特徴は、低帯域幅で映像が伝送できる点です。上手くいけば一般的なLAN環境でも、複数のストリームを伝送することが可能です。NDI HXは、フルNDIのおよそ10%ほどの帯域幅で済むそうです。(参照:PTZOptics Blog「What is NDI HX」)

遅延はどれくらい?

NDI HXは、フルNDIと比較するとわずかに遅延が発生します。遅延の程度は使用する機器や設定、ネットワーク環境によって異なりますが、およそ2〜3フレームと言われています。配信するコンテンツによりますが、非常にわずかな遅延で、気にならない程度です。ただし音楽ライブなど、口の動きと音がピッタリと合っていることが求められる場合は、フルNDIの使用が適しています。NDI HXは、限られた帯域幅でも効率よく映像を伝送したいという場合に適しています。

※フレーム:動画を構成する静止画の1コマのこと

NDI HX2も存在する

冒頭で、NDIには「NDI」と「NDI HX」の2種類があると書きましたが、調べているうちにNDI HXには「ND HX2」も存在することがわかりました。NDI HX2は、H.265(HEVC)の圧縮方式を利用しています。H.265は、H.264の後続の動画圧縮規格で、H.264よりも圧縮効率が優れています。

Wikipedia(英語)に、フルNDI・NDI HX・NDI HX2の比較表が掲載されていますので、詳しくはそちらをご参照ください。

余談

これは製品を開発するメーカー向けの情報なので、NDI HX対応製品を使うユーザーには関係のない話ですが、NDIがライセンスフリーで誰でも自由に使えるのに対して、NDI HXのライセンスは有償です。NDI HXを使った製品を開発したい場合は、NewTek社と契約する必要があります。

NDIとNDI HXの違いまとめ

◎ NDIには「NDI」と「NDI HX」の2種類が存在する
◎ NDI HXはフルNDIと比較して
 ・ 高圧縮
 ・ 低帯域幅で映像伝送が可能
 ・ 若干の遅延がある
◎ 「NDI HX」には「NDI HX2」も存在する
 ・ 圧縮方式:NDI HXはH.264、NDI HX2はH.265
◎ 高品質で遅延の無い映像伝送が求められる場合は「NDI」がおすすめ
◎ 限られた帯域幅で効率良く映像伝送したい場合は「NDI HX」がおすすめ
参考にしたサイト:
・PTZOptics Blog「What is NDI HX」https://live.ptzoptics.com/ndi-hx/what-is-ndi-hx/ (参照 2021-04-26)

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