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義父が話してくれた、「仕事の幕引き」について

こんにちは。

✨働く人のより良い明日✨を一緒に作りたい理学療法士のyokoです。

理学療法士は「身体の悩みを、動いて治すことが得意な専門家」です。

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今日は、「仕事人生の幕引き」について。

GWで旦那さんの実家に帰省しているのですが、昨日義理のお父さんとゆっくり話をしました。
お義父さんは、いわゆる「街の電気屋さん」を営んで52年。78歳を迎えた今年、長く続けてきた電気屋さんを畳む決意をされました。

働く人の幸せを支えたい私。
仕事人生を終える時とは、どんなものなのか、とても興味がありました。

工業高校を卒業したお義父さんはしばらく企業に勤めたのち、26歳の時に独立しました。

量販店やネットショップが台頭する中、家電の販売だけでなく、電球1個の付け替えやコンセントの増設、家電の修理、量販店では難しいと言われた家電の取り付けなど、痒いところに手が届くサービスを地元の人たちに提供し続けてきました。

多いときは350人ほどのお客さんを抱えていたそうです。

息子(私の旦那)は、ネットが台頭してきた時に、商売をネットに対応できるように切り替えるよう強く勧めましたが、お義父さんは自分のできる仕事の範囲ではないと考え、あくまで地元のお客さんを相手に仕事を続けました。

お客さんの高齢化や、ネットショップへの移行も重なり、お客さんは徐々に減り、今は50人ほどになったと言います。
同時にお義父さんも年を重ね、持病を抱えたり、軽い脳梗塞を患いました。麻痺や高次脳機能障害はありませんでしたが、思考力が落ちた自覚を痛烈に感じたといいます。
お客さんの減少はお義父さんご自身には「ちょうどよかった」と言います。

そして、自分の満足のいく仕事ができていない、このままでは相手に申し訳ない(「うまくない」という方言でした)という判断から、遂に今年1年かけてお店をたたむことを決めたのです。

もともと60歳で畳むつもりだったのが、お客さんにせがまれて65になり、70になり、となかなか終われなかったと笑っていました。


今、お義父さんは、残った50人のお客さんが、自分が商売をたたんだあと、何かあった時に誰かが対応してあげられるだろうか?と心配しています。

仕事人生の幕引きは、とても清々しいものを想像していました。
お義父さんの話す様子は、やりきった清々しさ、その時代にあった商売をしてきたという満足感と合わさって、今までのお客さんの心配や、ネットと台頭した時の自分の対応の仕方が正しかったのかという複雑な気持ちも織り混ざっていました。

私には、自分の手に収まるお客さんに常に誠実に仕事に向き合ってきた姿を象徴しているように思えました。

しきりにお義父さんが言っていたのは脳梗塞を患った後に、思うような仕事が出来なくなったということ。

仕事ができなくなるタイミングは誰にも分かりません。明日かもしれないし、90歳を過ぎても元気に働いているかもしれない。

いつが幕引きになるか、本人には選べないのです。

幕引きのときの気持ちは清々しさだけではないけれど、心身に納得いく状態で仕事に向き合ってきたかが、満足度を大きく左右するものなんだな、とお義父さんの姿を見て感じました。

理学療法士として、働く人の心身に納得いく状態を作ることに尽力したいと思います。
少しでも満足できる幕引きのために!

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これからも産業理学療法と理学療法士が、社会に必要とされるために、いろいろな視点から情報発信をしていきます!

思うところがありましたら、コメントなど頂けると嬉しいです。






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