BABEL法施行におけるスピーチより抜粋
__________であるため。◯月◯日よりBABELを各都道府県で稼働させていきます。
私は数年前に娘を殺されました。殺された理由が誰でも良かったという身勝手な理由によるものでした。その1年後。息子が殺人を犯しました。被害者遺族と加害者家族に同時になってしまったのです。色々な気持ちの葛藤がありました。私は普通でありたい。普通の特別さ。普通の難しさ。それを理解した上で普通であろうとして生きて来ました。しかし自分の努力とは離れた、どうしようもない力で自分の普通、幸せが壊される事もあると知りました。
そこからBABELを考案したのです。
皆様。中絶をご存知ですね。当事者の事情は考えないモノとして法律で許されている種の選別だと私は考えます。罪を犯した人間が受ける罰とは異なり、戦争で奪い合う命とも異なり。産まれる前の命の選別です。羊水検査もそうですね。異常が見つかったとしてどうするのかを考える。もちろん当事者の事情は考慮しないものとして事象のみの話です。堕胎した子がノーベル賞を受賞するかもしれないですが選別によって産まれて来ていないのです。
種の選別。もちろん素晴らしい才能が産まれてそうでないものを排除するのは間違っています。人の営みに反する行為だと思います。では殺人を犯す人間はどうでしょうか?選別によって殺人を犯す人間だけを選別出来たとしたら。それならば世界の平和であったり、奪われなくてよかった命が輝ける本当の平等であったり。それならば世界は受け入れてくれるのではないでしょうか?
だから創ったのです。BABELを。
私は研究で殺人を犯す人間の脳に着目しました。何人もの殺人者と会い、先天性の可能性、後天性の可能性あらゆる方向から調査、研究をしました。その結果脳のある部分が殺人を犯す人間に共通している事が解ったのです。
これは産まれる前ではなく産まれた後の種の選別です。17歳を境にこの脳の部分は成長を停めます。だから17歳の段階でこの部分が成長している人間はすでにか明日か未来において必ず殺人を犯します。BABELはこの部分を特殊なレーザーで焼き切ります。この部分を流れる電気信号にのみ反応するレーザーです。電気信号が無い人間には全く無害なモノです。この部分は脳の言語野の近くにあり言語野を著しく傷付ける上にレーザー反応の副作用で思考能力の急激な減退も招きます。要は廃人同然になってしまうのです。正しい殺人など無い事は理解しています。
キリストも言っていました。生まれて来ない方がその者の為に良かったかもしれない。と。この言葉は慈悲です。我々も殺人者に慈悲を。我々の為でもありいつかの未来の誰かの為にでもあり。そして選別された人の為にでもある。
我々は今神の門の前に立っているのですから。さぁ。手を伸ばしましょう。
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