お探し物は図書室まで
久しぶりに本屋大賞絡みの作品を読んだ。調べてみたら吉田修一(著)「怒り」以来だから6年ぶりくらいだろうか。
本屋大賞候補作にあげられる位だから、やはり「心を動かす」内容である。
読み終わって思い出した個人的な記憶がある。数年前にメディアでも取りあげられた「読書のすすめ」という本屋さんである。他にもNHK・仕事の流儀で取材を受けた北海道にある本屋の店主・岩田さん。この方は一万円選書といって、その予算内で客の諸々の要望に寄り添う本を選び出すサービスが話題性を呼んだ。どちらも共通するのは「本のソムリエ」であること。
本書の主人公・小町さゆりさんのように相手の話を聞き、本音を見抜き、悩みや弱った心を修復・調整する切っ掛けとなる本を提示するのだ。その本はもしかしたら、あなたが抱えてる悩みに一見、関連性がないかもしれない。だけど本のソムリエたちは複眼的な思考でピッタリな本を選び出すのである。
あなたのつまづきに寄り添ってあげられる本が沢山あるかもしれない、だから本を読んで欲しい、だけど何を読んだら分からない人のためにアドバイスを与えたい。そんな優しさに心が動かされた。
私個人の話をすると、「読書のすすめ」が話題となった時、地方から何かの用事で横浜へ向かったことがあって、帰りに自然と東京・江戸川区まで足を運んでいた。当時、仕事で悩んでいた私は店主の清水さんに話だけでも聞いて欲しかったのかもしれない。
だけどあれだけメディアに出演されてたから沢山の方が来店されてて忙しそうだったので、清水さんが書かれた本を買っただけであった。あの本は押し入れにまだあったはずだが、さて。そんなことを懐かしく思い出しながら本を閉じた。
そして今、小町さんの風貌の余韻にひたっている私がいる。どなたかマツコ・デラックスさんみたいと仰る方がおられるが、私にとってはマシュマロマン、ベイマックスではなくビブグルマンである。ミシュランガイドではなくブックガイドとしてのだがww
小町さんの恋ばなというかエピソード0みたいなものがあるんじゃないかと邪推し、つづきが有ることを期待しつつ、この辺で。
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