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「難しい」基礎練習を探すとドラムが上達します【難しいとは??】

こんにちは、世木です。

日々音楽やドラムのことを発信していますが、ネタ元はレッスンや自分の練習などが3割で、残りは日々の料理やニュース、ドラッカーだったりします。音楽に応用されてない世の中の有用なことは非常に多く感じます。

さて、先日このような内容を呟きました。

あるフレーズを叩けるようになりたいけど上手くいかないとき、まずやるべきは「フレーズの分解」です
難しいパターンでも突き詰めれば基本の組み合わせなので、「パーツを揃える→組み合わせる」という流れでできるようになります
因みにパーツを「あらかじめ」揃えておく作業が、基礎練習になります

今回はこれの解説です。

先に結論ですが、ここから言えることは基礎練習は網羅的にということです。

まず基本的なことですが、どんな難しいフレーズでも極限まで細かくすれば1打になります。またそれを組み合わせて1拍ができ、1小節になり、1フレーズになります。その中で、手足が組み合わさって一つのまとまった音が出来上がります。

突き詰めれば、1打1打の組み合わせで全てが作られるということです。

分解していく中で、手の動きや足の動き、そのコンビネーションといったものが見えてきます。そして、自分ができるものとできないものに分けるというプロセスが重要です。

手だけでやっても出来ないものは、足と合わせても出来ません。逆に手も足もできているのに組み合わせると出来なくなるのなら、コンビネーションの課題なので、そこを練習という流れです。

ちょっと余談というかネタバレになりますが、これは楽器講師が教える際にやっていることの一つです。あるフレーズの中で生徒さんのできない部分を見抜いて「こういう練習をするのはどう?」と課題を与えます。このとき、直接関係ないようなところまで戻ることもありますが、フレーズへの道筋を作った上での提案になるので、実は最短ルートだったりします。どれだけ不足部分を適切に見抜け、そして適切な道筋を考え、適切な課題を示せるかが講師の能力の一つとなると私は考えています。

こういった流れで練習を積み上げれば確実にできるようになります。

しかし、フレーズから学ぶべきことを見つけるというのは、学ぶ意欲が高まり即効性のある練習である反面、非常に時間がかかり、また技術に抜け漏れができやすい方法になるおそれがあります。

そりゃそうですよね。たまたま出会ったフレーズに必要なもののみを取り入れていく練習になるので、逆に言えばたまたま出会わなかった技術が穴になってしまうことがあるんです。

下手すると、ある特定のことしかできない偏ったドラマーになってしまいます。表現力が限られてしまうほか、新しいフレーズに会うたび毎回このプロセスを踏まなければいけないので習得までに時間がかかってしまったり、即興的な演奏ができなくなってしまったりということが起きます。

とはいえ、幅広く音楽を聴き色々なものをコピーしていけば、必要なものはあらかたマスターできるという考え方もあります。この方法の方が楽しいのかもしれませんが、かなり大変になり不確実になるので、これから述べる基礎練習と併用するのがよいと私は考えています。

こういったことから、必要になってくるのが基礎練習です。

因みにパーツを「あらかじめ」揃えておく作業が、基礎練習になります

必要なパーツをその都度作るのが今まで述べてきた練習ですが、フレーズに出会わなくても必要となりそうなパーツを先に練習しておけば、どんなフレーズがきても短い時間で対応可能になります。

このプロセスが基礎練習であるため、基礎練習は網羅的に行っておいた方がよいということになります。

例えばロールの練習をする時、左手から始まるようなパターンもやっておく。こんなの滅多に見ないと思うかも知れませんが、ハイハットで使われたりラフやドラッグが上手くいくようになったり、右手でタムを回しながら左手でずっとスネアでロールをやっていたりなどと、思わぬところで効果を発揮します。

では、どのように網羅すれば良いのかです。

教則本はやはり網羅的に載っているものが多いので、まず参考にするところかと思います。

また自ら網羅的にフレーズを作る方法もあります。

例えば数学の時にやったような組み合わせを数え上げるというようなやり方があります。例えば、16分音符を基準として考えた時、ハイハットは固定で8分音符を叩き、バスドラが1つだけ入るパターンを考えても、16通りのリズムパターンが出来上がります。2つだと、3つだとと考えていくと、膨大になりすぎるので取捨選択は必要ですが(3連打はシングルペダルだと無理というような感じで)、やったことのないパターンは絶対に見つかるはずです。

バスドラの網羅的な練習であれば、基本フレーズを作って足だけ16分音符ずつ後ろにずらしていく方法なんかもありますね。考えてもみなかったフレーズが出てきて思わぬ苦手が炙り出されます。

他には、例えばバスドラのパターンとハイハットのパターンを別々に書いた譜面を5つずつ用意します。組み合わせれば25通りの練習の出来上がりです。意外と手が変わるとできなくなるバスドラのパターンがあったりします。手のパターンは簡単で、8分音符、4分音符、16分音符、8分音符でオープンクローズが交互にくるもの(表裏2種類)あたりが定番です。これに足のパターンを組み合わせていけば、どんなパターンでも足に手が惑わされることはなくなってきます。

必要の有無ではなく、できるできないを基準とした練習が見つかるのではと思います。

基礎という言葉はともすれば「簡単」というように捉えられてしまいますが、「実践のために必要なもの」と考えれば「簡単」に限られたものではなくなります。また「簡単」と感じるということは「習得している」ということなので、「できないことを探す」という意味で基礎練習を捉えれば、「基礎練習は全て難しい」になるのかもしれません。

できないことをしらみ潰しに練習していく作業をすれば確実に上達しますが、まずそのためには、できないことを見つけなければ始まりません。先に述べたような方法を使い自分で見つけるのもよいですし、私もできるだけそのお手伝いをするため色々なフレーズを紹介していこうと思っております。

今後ともよろしくお願いいたします。

それでは、本日もここまで読んでくださいまして、ありがとうございました!





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