熊谷直実(くまがいなおざね)と玉都留姫(たまつるひめ) その1(全4回)

今日はね、鎌倉時代の武蔵野国の有名な武将、熊谷直実(くまがいなおざね)のお話しだよ。
ポンと昔。今から800年も前のことだよ。鎌倉時代の終り頃のことさ。兵庫県の一ノ谷でそれは激しい平家と源氏との戦いがあったんだよ。その戦いには遠く大勢の関東地方の者たちも源氏の家来として一緒に戦っていたのさ。

武蔵野の国、埼玉県の熊谷直実っていう武将はね、馬に乗ることも上手で弓も上手な武将だったよ。上野(こうずけ)の国、群馬県から立派な栗毛の馬を見つけてくるとね、源氏の大将、源義経(みなもとのよしつね)について遠く兵庫県へと戦いのために行ったんだ。

熊谷直実にはね、二人の娘があったのさ。千代鶴姫(ちよつるひめ)と玉都留姫(たまつるひめ)と言ったよ。
「父上は遠い都の方から戻られるとね、出家すると一言いうと出て行ってしまったんですよ。強くてお優しい方でしたよ。」
千代鶴姫と玉都留姫は小さい頃からこうしてお母さんから話を聞いていたんだね。二人はいつかそんな素敵な父上に会ってみたいと思っていたんだ。二人はあちこち父上の行方を尋ねていたんだよ。そうしてとうとう遠い親戚の長福寺(ちょうふくじ)というお寺に立ち寄っていたということが分かったんだ。二人は早速、長福寺へと出かけて行ったんだよ。

今日はここまで、読んでくれて、ありがとう。
さぁ 二人は長福寺で父親に会えるかな?
この続きは明日。お休み、ポン!

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