天照大神(あまてらすおおみかみ)と天岩戸(あまのいわと)その3(全4回)


すると、そのとたん天照大神(あまてらすおおみかみ)と一緒に太陽は消えてしまい、天上の高天原(たかまがはら)も地上も真っ暗になってしまったのです。そこで困り果ててしまった神々は集まってどうしたものかと話し合いをしたのです。けれども、なかなか良い思いつきは出ません。天上界きっての知恵の神、思金(おもいかね)がおもむろに顔を上げると思いついたことを皆に話しました。皆は、それはいい、と賛成して、早速準備に取り掛かりました。
鏡作りの神に大きな鏡を作ってもらって、玉飾り(たまかざり)作りの神には勾玉(まがたま)が500個くらいも繋がている玉飾りを作ってもらいました。勾玉とは昔の人々が紐(ひも)を通して首飾りなどに使った曲がった形の玉のことです。そしてそれらを天照大神が隠れている岩戸の前にある木にくくりつけたのです。思金(おもいかね)は力持ちの大刀辛雄命(たちからおうのみこと)の神を呼んで、岩戸のわきに隠れているように頼みました。
「後は、天照大神のお気に入りの天宇受売命(あめのうずめ)にお任せしよう。」
国中の神さまたちが岩戸の前に集まりました。ヘンテコな衣装を纏った(まとった)天宇受売命(あめのうずめ)は、しゃなりしゃなりと岩戸の間にやってくると足を踏み、手を鳴らしながら踊りだしました。それはくねくね腰を回したり、飛んだり跳ねたりと大層面白いものだったのものです。ついには衣装が乱れてお尻がチラリ見えたり、胸も露わになってしまいます。
「やいやいや、そりゃそりゃ。も一つもひとつ」
あまりの面白さに、見ていた大勢の神さまたちは手を叩いて大笑いの大声援です。岩屋の奥に閉じこもっていた天照大神は岩戸の外が大層賑やかなので、何事かと気になりました。手を叩く音やら大きな笑い声がいくどとなく聞こえてきます。

今日はここまで。
読んでくれて、ありがとう。
また明日。ポン!

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