江戸時代のファーストフードといえばお寿司 その2(全2回)


そして戦国時代になってくると、一ヶ月くらい漬け込んだものを、ごはんと一緒に食べるようになってきたんだって。これが「生成れずし」(なまなれずし)というんだよ。滋賀県の鮒(ふな)ずし、なんかで有名さ。

江戸時代になると、「生成れずし」は、箱の中に、ごはんにお酢と塩を混ぜたものを入れて、その上にお魚や貝を乗せて、上から重しをして、一週間くらいで食べるようになったんだ。これが「早寿司」(はやすし)さ。江戸に住んでいる江戸っ子たちは、せっかちが多いんだよ。だからお寿司をすぐに食べたいって。生のお魚をご飯に乗せただけでいいから、食べたいって思ったんだね。

文政(ぶんせい)年間、1818年から1830年ころの事だよ。この頃、マグロが大漁でたくさん獲れたんだって。マグロのことを下魚(げざかな)といって、捨てるほど獲れたというんだよ。そこで、本所元町(ほんじょもとまち)にあった屋台のお店の華屋与兵衛(はなやよへえ)は、握ったごはんの上にマグロを乗せて売り出したというんだよ。それが抜群に美味しくって大評判になったのさ。しかも、お寿司の大きさは今の物の3倍くらいはあった大きなものさ。一番人気は脂身の少ない赤身さ。それとお醤油に漬け込んだ、づけマグロ。脂ののったトロは味が悪いと言われていたんだって。江戸っ子はさっぱりとしたマグロのお寿司が大好きだったんだね。

あれ?華屋与兵衛ってどこかで聞いたことのあるレストランの名前だね。お寿司の美味しいお店だよね。連れて行ってもらってマグロの握りを食べてみたいね。

これでおしまい。
最後まで読んでくれて、ありがとう。
お休み、ポン!

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