水鳥の羽音と幻の富士川の合戦 その1(全3回)

ポン!と昔。
ほんと本当のお話だよ。
「幻の合戦」って言われているのが、この富士川の合戦のこと。だってね、水鳥たちの羽の音を源氏軍が攻めてきたぁ、って早とりちしちゃって逃げ帰ってしまった、何ともお恥ずかしい平家軍のお話だからね。

それはね、今から800年くらいも昔の事だよ。
平安時代終りのこと1159年に平治の乱(へいじのらん)ってのがあったんだ。京都から西側の平家軍でリーダーは平清盛(たいらのきよもり)で、京都から東側の源氏のリーダーは源義朝(みなもとのよしとも)だった。源氏と平氏との戦いだったんだ。激しい戦いの後、源氏が負けてしまったんだよ。
勝った平清盛たちは、自分たちの子供や親戚の者ばかりを高い位につけたり、天皇と仲良くとくにんば人にあらず」なんて自惚れた(うぬぼれた)ことを言っていたんだもんね。平氏の人でなければ人間じゃぁないっていう事だからねぇ。それが20年くらいも続くと、庶民の人たちや源氏の味方だった人たちが、平氏の人たちばっかり贅沢な(ぜいたくな)暮らしをしていてズルいじゃんと思うようになってきたよ。そこで、こんどはまた源氏の源頼朝をリーダーとする人たちが平氏の人たちを倒すために鎌倉から京都へと出発したんだ。特に京都から東側では平氏たちを早く倒してしまえと思っている人たちが多かったからね。あっちからこっちから応援する家来たちが集まってきて、な、なんと20万人にもなっていたんだってよ。すごい人たちの数だね。その知らせが平清盛に届いたんだ。清盛はもう60歳を過ぎていたおじいちゃんだったけど、そりゃぁ慌てたのなんおって、ビックリだったよねぇ。早速、迫りくる源氏の源頼朝たちを倒すために自分のお孫ちゃんの若い平維盛(たいらのこれもり)をリーダーとして、3万余の群を率いさせて東へと送り出したんだよ。

今日はここまで、続きはまた明日。ポン!

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