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吉祥寺サバイバル Ⅲ 定常期(stationary phase)Ⅲ-4 自給自足例S女 小水力発電20XY年6月

 S女は32歳で、海なし県〇〇市の郊外に夫と小学生の子供と暮らしていた。L村病の流行時、夫とともに街で水と食料を調達した。その後、夫と子供が発熱した。S女は懸命に面倒を見たが、ともにあっけなく亡くなってしまった。庭に穴を掘り、二人を葬った。

 S女も遠からず彼らの後を追うことになることを覚悟していた。しかし、発症する気配は全くなかった。L村病にかかりにくい体質だったに違いない。今後、一人で生きていく必要に駆られた。水と食料、そしてプロパンガスはしばらく持つ。

小水力発電

 電気と水道が止まっていたが、前者はなんとかできる可能性があった。近くに小水力発電1)があることを知っていたのである。車でDIY店に向かい、電線を入手することができた。これで小水力発電と自宅をつなぐことに成功した。今後、暑くなってもクーラーを使用することができる。

電気ケトル

 水は小川からバケツで汲んできた。飲料用は電気ケトルで沸かせばよい。問題は風呂である。当面は灯油タンクで水を運ぶことにする。今後はポンプで自宅まで水を送れるようにしたい。

くくり罠

 備蓄してある食料も少なくなっていたので、改めて街に出かけて探したが、得るものは少なかった。近くの農場を調べて野菜やトウモロコシ、根菜類を入手できることが分かった。かなりの部分が荒らされていたので、イノシシやシカの存在を確信した。そうであれば、良好なタンパク質源になる。
先のDIY店にあった罠を仕掛けることにした。くくり罠というもので、中を踏むと両サイドの輪によって挟まれる仕組みになっている。かかった場合、先ず殺す必要がある。やはり店にあったサバイバルナイフに柄を付けてこれで刺し殺すことにした。その後、木の枝につるして血抜きと解体を行うことになる。スムーズにやれる自信はないが、やらねばならない。

 近隣の河川ではかなりの数の魚を釣ることができた。3枚にさばいて、日に干した。これは抵抗なく行うことができた。すでにテレビもラジオも放送が無くなっている。家の中に音がないのは寂しいので、CDをかけっぱなしにしている。

 他にも生存している人がいるに違いない。住所と情報を記した手紙を瓶に入れて小川から流してみよう。手紙はプリンタで印刷し、瓶はDIYと100円ショップで入手した。蓋に色のついたビニールテープを張っておけば、目立つので拾ってもらえる可能性が高まるだろう。まだまだ、やりたいことが山積している。余裕ができたら、ブックオフに行って本やDVDを入手することにしよう。
1) 小水量発電 https://ameblo.jp/yk206/entry-12726576173.html
*食品なんでも相談所 横山技術士事務所
*3頁目 発酵食品もの知り講座
*4頁目 大豆総合研究所
*中国ひとり歩記録 目次 中国ひとり歩記
*吉祥寺サバイバル 目次 吉祥寺サバイバル
*働くヒト器官 目次 働くヒト器官

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