吉祥寺サバイバル　Ⅰ 誘導期(lag phase) 1-2 メテオハンター 20XX年12月

　ふたご座流星群は盛りを過ぎた頃、地球に近づく隕石があった。その内に、隕石は多数の小隕石に分裂した。これらのかなりの部分が燃え尽きずに世界中に落下した。

　メテオハンターのロバート・A・ナイニンガーは早速それを探しに出かけた。目的地はA国ケリフォルニア州など4州にまたがるメハーヴェ砂漠である。磁石やドローン、金属探知機と地図は欠かせない商売道具だ。調査は数日に及ぶため、食糧と水も欠かせない。いつでも出発できるように、オフロード車にこれらを積んであるのだ。

　砂漠に着くと早速調査を開始した。まず、ドローンを飛ばして、クレーターを探す。それらしい場所で、隕石を探す。砂に埋まっている可能性もあるので、金属探知機で確認する。2日間活動して、それらしいものを3個入手した。いずれも、磁石に吸い付く鉄隕石(iron meteorite)であることが分かった。

　

鉄隕石

朴可欣は美人の誉れ高い長身の女性である。言い寄る男は後を絶たないが、すべて袖にされている。彼女が愛してやまないのは男ではなく、隕石だからである。ロバート・A・ナイニンガーと同じように、いつでも出られるよう商売道具をオフロード車に積んである。

　彼女が目的にしたのはB国内モンゲル自治区に存在するビダインジャラン砂漠（微台吉林砂漠）である。B国で三番目、世界で四番目に大きい砂漠となる。砂丘の標高は1200～1500ｍと高く、中でもドンチホーテという砂丘は世界で一番の高さを誇る。彼女も前述の手順で、調査を行い2個の隕石らしき石を入手した。一つは鉄隕石 (stony-iron meteorite) 、残りは石鉄隕石(stone meteorite)だった。調査の途中で、軍の基地に差し掛かった。この内に落ちているのは確かだが、内部に入ることはかなわなかった。

　隕石は宇宙からの手紙といえる。太陽系や地球の成り立ちなど様々なことがわかるためである。また、上記のような小さなものでなく、大きなサイズの隕石に人類は恐怖を感じてきた。杞憂という言葉があるが、決して無視できない存在なのである。可能ならば備えておきたい対象なのだ。

　このことを扱った小説や映画が少なくない。神の鉄槌はアーサー・C・クラークが1993年に発表したSF小説である。西暦2109年を舞台に小惑星衝突の危機が描かれている。地球に近づく小惑星はヒンドゥー教の死と破壊の女神カーリーと名づけられた。宇宙船ゴライアス号の船長ロバート・シンが軌道を地球から逸らせる「アトラス作戦」を拝命した。果たしてその結果は如何に。

　他にもアルマゲドン、ディープ・インパクト、メテオ、エボリューション、スリザーなどがある。日本のアニメである「君の名は。」は大ヒットした。東京の少年・瀧（たき）と飛騨地方の山深い田舎町の少女・三葉（みつは）の身に起きた「入れ替わり」という現象からスタートする。口噛み酒が重要なアイテムになっていた1）。これに1200年ぶりに地球に接近するという「ティアマト彗星」の話が加わる。人々に隕石に対する関心を高めた楽しめる話だった。

　ド

恐竜人

ラえもん「のび太と竜の騎士」は地底世界を舞台に、恐竜人をモチーフにした作品である。そう、恐竜を絶滅させたのが、メキシコのユカタン半島に落下した直径約10〜15キロメートルの隕石だったのである。アニメの中では恐竜から進化した恐竜人が生活しているという設定。お話には違いないが、この隕石がなければ、人類は存在せず、恐竜人が進化していたことも起こりえた話なのだ。

　隕石は人類を誕生させたが、滅ぼすこともありうるのだ。いずれも、神の意志によるものかもしれない。
1) 口噛み酒 https://ameblo.jp/yk206/entry-12797619188.html
＊食品なんでも相談所 横山技術士事務所
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＊4頁目　大豆総合研究所
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