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昼寝をしない子どもにできること

こんにちは。YOKOです。今日はいつ振りかに涼しかったですね。湿度の高い暑さが嫌でならないので、今日みたいな気温の日が続いてほしいと切実に願っている今日この頃です。(笑)

私は家で、生ごみをたい肥にするコンポストをやっていて、現在3か月目。この暑さで微生物もより活発になったような気がしています。いよいよ小さな虫が目に見える大きさになってきました!

コンポストは微生物が生ごみを分解してくれるので、続けていくうちに虫が出てくるそう。始めた頃からいつでるだろうとそわそわしていましたが、やっとでてきてくれたー!と感動してしまいました(笑)

すべての生き物にとって欠かせない存在である土。生ごみを増やさないという環境負荷を減らすことにもつながりますし、毎日土に触れてかき混ぜて、循環を感じる。メリットしかないと思っています。


今回は子どもの昼寝についてお話していきたいと思います。

ほとんどの保育園で導入されている昼寝の時間。保育士・保護者双方にとって悩みのひとつとなっているのが、昼寝をしない子どもがいること。じっとするのが難しい子どもにとっては、私たち大人が感じている以上の苦痛があるのかもしれません。昼寝ができない子どもに対して、私たちはどのようにしていけばよいのでしょうか。


【昼寝が必要な理由】

そもそもなぜ昼寝が必要なのでしょうか。
厚生労働省『保育所保育指針』の【3 保育の計画及び評価】によると、

「午睡は生活のリズムを構成する重要な要素であり、安心して眠ることのできる安全な睡眠環境を確保するとともに、在園時間が異なることや、睡眠時間は子どもの発達の状況や個人によって差があることから、一律とならないように配慮すること」

と明記されています。
(厚生労働省ホームページ 保育所保育指針より一部引用)

この内容のポイントは
・午睡が生活リズムに大きく影響するということ
・個人差に配慮し、それぞれに合わせた環境を用意すること
であると考えます。

幼稚園と比べ保育時間が長い保育園。
生活リズムを整えるため、午睡あるいは休息する時間が必要であると考えられます。

ほとんどの保育園では毎日1時間半~2時間程度の昼寝の時間があります。一般的に0歳~2歳ごろまでは昼寝が必要といわれていますが、3歳を超えてからは昼寝の時間が1時間程度に短縮されたり、昼寝の必要がない子どもは別室で静かに過ごす、という保育園もあるようです。

また、3歳を超えていても、
・入眠に援助が必要な子ども(物音に敏感である、情緒面で特別な対応が必要な場合等)
・午睡が必要と判断する子ども(十分に午睡ができないとぐずぐずしてしまう等)
こういった状況には柔軟に対応し、入眠のサポートをする場合もあります。

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【昼寝しない子どもを取り巻く環境】

◎保育士の悩み
保育士は子どもの午睡時間を使って、連絡帳や保育日誌などの書類作成をしたり、活動の準備や清掃、時にはミーティングを行ったりします。午睡時間は1日の中で唯一まとまった作業ができる時間でもあります。

眠れずに近くの子どもとおしゃべりしている子どもがいると、「寝てるお友だちがいるから静かにしていてね」と声をかける保育士がほとんどかと思います。しかし正直なところは、「なかなか作業が進まない・・・」というのが本音なのではないでしょうか。

保育士として、子どもが安心して眠れる環境を整えることは大前提としてありますが、眠れない子どもへの対応は保育士によります。

人の手があれば、別室に移動し静かに過ごしてもらうこともできますが、人手不足の面から、それが可能な保育園ばかりではありません。人の手がなければ、業務をしながら、あるいは業務を止めて子どもの対応を優先させている保育士も多いと思います。

◎保護者の悩み
保護者の中には、自分の子どもが昼寝ができないことを悩んでいる人もいます。

「周りの子に迷惑をかけていないか心配」
「保育士に怒られているのではないか」

など。後者は、インターネットの検索に保育園で昼寝をしない子どもが怒られることについての書き込みが多くあるように、保育士の対応や、そもそもの昼寝の必要性への疑問が多くあるのも事実でしょう。

また逆もしかり、保育園で昼寝をすることで夜なかなか寝付けずに困っている保護者もいます。私も保育士の経験がありますが、子どもが夜眠れない悩みを持つ保護者からは「入眠後1時間で起こしてほしい」等の相談を何回か受けたことがありました(その子どもの生活リズムを考慮し柔軟に対応していました)。

保育の業務がある中で、ひとりひとりの生活リズムに配慮することは難しいかもしれません。しかし、昼寝が子どもの生活リズムに大きな影響があることを意識し、できることから取り組むことは大切なことではないでしょうか。

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◎「眠れない子ども」の悩み
(※子どもが”悩み”としているかどうかではなく、”眠れない状況にストレスを感じていること”を”悩み”と解釈しています。)

では、子どもの立場になって想像してみます。

・眠気がなく、元気な状態で1時間半~2時間の間横になっていなければならない
・お友だちとお話するのも、おもちゃを触るのもダメ

みなさんは自分が子どもだとしたら、この状況に耐えられますか?
ちなみに私は、耐えられる自信はありません・・・。

4、5歳にもなれば、「寝ているお友だちがいるから静かにしなければならない」という周囲の状況や、「午前中にたくさん活動したから身体を休める時間も大切」といった休息の必要性を理解できると思います。
しかし、たとえ休息の必要性を理解していたとしても、静かに横になり続けなければならないことへの苦痛が大きければ、本当に身体が休まったと言えるでしょうか。

体力が十分についた子どもにとって、午睡時間はストレスを生む環境になりうると考えることもできます。


【自分の身体の変化を知り判断する】

◎無理して寝なくてもよい環境
東京都足立区立の保育所では2011年4月から5歳児クラスの午睡を廃止したことで、夜の寝つきがよくなり生活リズムが改善されただけでなく、疲れたと感じる時は横になるなど、自分で判断して行動するようになるという変化もあったようです。
(AERA.dotより 保育園の“昼寝強制”はストレス 廃止で起きた子どもの変化とは?参照)

私が以前勤めていた保育所では、1月から5歳児クラスの午睡がありませんでしたが、子どもが疲れているとき・睡眠が必要と感じたときは横になれる環境を用意していました。基本的に睡眠時間は長くても1時間としておりましたが、睡眠がもう少し必要だという子ども自身あるいは担任保育士の判断があれば、無理に起こさず、1時間以上睡眠をとっている日もありました。

これらの事例から、『昼寝の時間だから横になる』というルールは、「きょうはいつもより疲れているな」「ちょっといつもと違うな」という身体の変化やサインに気づきにくくしていることが言えると思います。

また、身体が適切に管理されることで遊びや活動に集中しやすくなったり、時に保育士が援助しながら身体を管理する方法を経験を通して知ることは、特に就学前の子どもにとって重要なことではないでしょうか。

多くの保育所では、5歳児になってから午睡の時間を徐々に短くし、なくしているところがほとんどだと思います。午睡の時間は個人差があると思いますが、長時間保育で生活リズムを整え体力を回復させたり、十分な休息をとったりすることは園生活で大切なことですので、4歳児ごろまでは午睡ないし休息時間は必要であると考えます。


◎保育士の配置の見直し
ただ、限られた保育士の数を考えると、起きている子どもと寝ている子どもがいるという環境を作るのは簡単ではありません。午睡時間中、起きている子どもと寝ている子どもは双方が安心して過ごせる環境にするためにも部屋を分ける必要があります。

ここで問題になるのが保育士の数。部屋を分けるということは保育士がもう一人必要になります。午睡時間、保育士は連絡帳等の書類作成に時間を充てているだけでなく、この間に休憩を回しています。そのため、人手不足の保育園にとって、午睡が必要でない子どもを別室に分けることはハードルの高いものになってしまいます。

冒頭でも触れましたが、保育所保育指針には「睡眠時間は(~省略~)個人によって差があることから、一律とならないように配慮すること」と、子どもひとりひとりの生活リズムに合わせることの重要性が記載されています。
慢性的ともいわれている保育士不足。幼少期の大半を過ごし、生活リズムを保障する重要な役割をもつ保育所だからこそ、人員配置の基準の見直しが求められます。

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【昼寝をしない子どものためにできること】

では人手不足の園ではどうすればよいでしょうか。睡眠時間の個人差があるため午睡の強要はできませんが、せめて子どもが落ち着いた環境で休息できるように働きかけていきたいですよね。

布団やコットの配置を配慮したり、玩具が置いてある場所からは離れて配置したりするなど、入眠を妨げてしまうような視覚的な刺激を与えてしまわないような工夫。入眠に援助が必要な子どもには、入眠するまでそばについたりやさしく背中をさする・トントンしたりする工夫。基本的なことではありますが、ほとんどの保育士さんがこういった工夫、試行錯誤をされていると思います。

入眠前のスキンシップには子ども一人ひとりに応じた方法があります。保育士のみなさんも知らずのうちに「Aちゃんはおでこをさする」「Bくんは背中をトントンする」「Cちゃんはやさしく背中をさする」など、一人ひとりに応じたスキンシップを使い分けているスゴ技を持ち合わせているのでは?

また保育士の精神状態でいえば、「書類や休憩回しがあるから早く寝てほしいな・・・」なんて焦って寝かしつけをしていると、不思議なくらい子どもには伝わるものですよね。私自身、焦れば焦るほど子どもはなかなか寝ないという状況に何度出くわしたことか・・・(笑)

一度深呼吸して、保育士もリラックスした状態でこうした入眠の援助をすることで、子どももより安心して眠れる環境が作れるのではないかと思います。

個人差については、家庭での睡眠時間や生活リズム(就寝・起床時間)も大きく影響してくると思いますので、家庭の状況を把握しておくことも大切かもしれませんね。

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保育士の書類作成の時間の確保、人員不足、さまざまな背景から「昼寝はしなきゃいけない」ものとなり、保育士、保護者、そして子どもたち自身もストレスを感じる状態になってしまっています。保育士の人員配置の改善が必要になりますが、子どもが自分の身体と向き合い判断できる環境が整うことを願っています。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。


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