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片輪車(妖怪百文字縛)

子をいじめる女がいた。

みなかかわるまいと戸を閉めて、
子の泣く声に耳をふさいだ。

「私を見るよりも、お前の子供を見るがよい」

女は何度もわめいたが、
子のない者には届かない。

車のきしる音の後、
子の泣き声は消えていた。



これは
あくまでも
私の書いた詩です。
参考文献の解説通りではありません。

『図説 日本妖怪大全』
水木しげる著
講談社+α文庫
1994年6月20日第1刷発行
2006年6月29日第18刷発行
の「片車輪かたしゃりん」の解説にある

「私を見るよりも、お前の子供を見るがよい」

『図説 日本妖怪大全』
水木しげる著
講談社+α文庫
1994年6月20日第1刷発行
2006年6月29日第18刷発行

という一文から詩作しました。

『決定版 日本妖怪大全 妖怪・あの世・神様』水木しげる著
講談社文庫
2014年2月14日第1刷発行
にならって、
片車輪かたしゃりん」を「片輪車かたわぐるま」に変更しました。



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