今回は冷えに関する情報をまとめてみたいと思います(タケダ健康サイトより引用)。
冷えとは?
冷えは、貧血、低血圧、甲状腺機能低下症、膠原病(こうげんびょう)など明らかな原因がある場合は西洋医学的な治療の対象となります。しかし、多くの場合は、検査で明らかな異常がみられないにもかかわらず、手足が冷える、ゾクゾクと寒いなど冷えの症状が認められます。明らかな原因のない冷えは、一般的に “冷え性”の体質として扱われます。
冷えの原因
・栄養が偏った食生活によるエネルギー不足
栄養バランスが偏った食事を続けていると、体の基礎となるたんぱく質や脂質、炭水化物と、それらの栄養を熱に変えるビタミン、ミネラルが不足し、冷え症になります。極端な食事制限によるダイエットも、体温の元になるビタミンやミネラルが不足し、冷え症の原因になります。
・きつい下着や露出の多いファッションによる血行不良
体を強く締め付ける下着は、血液の流れを悪くするので、冷え症の原因になります。また、ミニ丈のボトム、ローライズジーンズ、素足にサンダルやパンプスなどの露出したファッションも、冷え症の原因になることがあります。
・空調の効かせすぎによる自律神経の乱れ
人の体は、自律神経の働きによって一定の温度に保たれています。しかし空調の効かせすぎによって室内外の温度差が激しくなると、自律神経の機能が乱れ、体温調節がうまくできなくなり、冷え症を引き起こすことがあります。
・女性ホルモン(エストロゲン)の乱れによる血流作用の低下
女性ホルモンは、女性の心と体をコントロールしています。また、手足の先に行く細い血管を拡げて、血流を多くする作用もあります。そのため、ストレスや更年期などによって女性ホルモンの分泌が乱れると、血行の悪化や卵巣の機能低下を招き、冷えをはじめ、生理痛や生理不順などのトラブルが起きやすくなります。
東洋医学における冷え
東洋医学の「冷え」に対する治療方針は、単純に「温めれば良い」などとして決まるわけではありません。たとえば、赤ら顔で、血圧が高めで、太っていて、塩分や脂っこいものを良く食べている人。明らかに熱がこもっているタイプと診断できるため、本人が「冷えている」と言ったときであっても、「じゃあ温めましょう」ということにはなりません。
むしろ、こういった方に熱を加えるような施術や食事、漢方薬を処方すると、熱があふれ、弱い場所から出血したり、血圧が上がる可能性もあります。
陰と陽と冷えの関係
自然界に月と太陽(陰陽)があるように、人体にも陰陽があると考えられています。そして治療にも陰陽があり、「陰の病」であれば陽を補う処方、もしくは余分な陰自体を取り除く処方をし、「陽の病」であれば余分な陽自体を取り除く処方、もしくは陰自体を補う処方をします。
具体的には「冷えている」というのは、単純に体に寒さが多い(実寒)、温める力がない(虚熱)というふたつの考え方があります。また「熱い」というのも、単純にに熱が多い(実熱)、冷やす力がない(虚寒)という考え方があります。
同じ「冷えている」でも寒さを取り去るタイプと、温める力を高めなくてはいけないタイプがいます。寒さを取り去るなら清熱や瀉火、温める力を高めるには温陽などの方法を使います。
それと同じように、「熱い」でも熱を取り去るタイプと冷やす力を高めなくてはいけないタイプがいます。熱を取り去るなら清熱、温める力を高めるには温陽などの方法を用います。
冷えているのか、熱いのか、もしくは熱くも寒くもないのか、かつそれらがどのような状態にあるのか、判断をしなくては正確な治療をすることができません。そこで触診や視診、脈診や問診などにより、カラダに現れている変化をくまなく確認していく必要があります。
東洋医学の専門家は鍼灸師や漢方医ですので、気になる方は一度相談してみましょう。
冷えを伴う疾患
貧血
鉄分の不足などが原因で、酸素と結合して酸素を体のすみずみまで運ぶヘモグロビンが減少し、血液中の濃度が薄くなった状態です。ヘモグロビンの数値が男性は13.0g/dl以下、女性は12.0g/dl以下になると、貧血とされています。冷えの他に倦怠感、立ちくらみ、めまい、耳鳴り、頭痛などの症状が起こります。
低血圧症
遺伝や自律神経の乱れなどが原因で起こるといわれていて、一般的には収縮期(最大)血圧が常に100mmHg未満の状態です。手足の冷えや肩こり、だるさ、疲れ、寝起きが悪いといった症状があらわれます。
更年期障害
閉経の前後、約10年間をさす更年期を迎えると、女性ホルモンのバランスが急激に変化し、心や体にさまざまなトラブルを引き起こします。症状には、冷え、肩こり、疲れ、だるさ、のぼせやほてり、イライラや不安感などがあります。
冷えが引き起こす疾患
月経困難症
生理がはじまり、日常生活に支障をきたすほどの生理痛があるのが月経困難症です。激しい生理痛や腰痛の他に、頭痛や吐き気、眠気やイライラなどの症状がみられます。冷えによる卵巣機能の低下が誘因の一つとして考えられています。月経の困難は、子宮内膜症や子宮筋腫などの疾患が原因となる場合もあります。
膀胱炎
膀胱内に細菌が侵入して炎症を起こすのが膀胱炎です。冷えによって水分の代謝が下がり、排尿がうまくいかなくなることや疾患が原因で起こります。膀胱炎になると、尿意が近くなる、残尿感、排尿時の痛みなどの症状があらわれます。圧倒的に女性に多く、再発しやすく慢性化すると尿が溜まるだけで痛みが生じます。
対処方法
入浴で血行を良くする
38〜40℃のぬるめのお湯に、20分程度つかりましょう。入浴後は簡単なストレッチをすると、さらに効果的です。湯船につかれないときは、シャワーだけですませず足湯で下半身をしっかり温めましょう。お風呂から上がったら保温性の高いインナーや冷え症対策用の靴下などで熱を逃がさないようにしましょう。
朝食をしっかりと食べる
朝食を食べないと、体温調節に必要なエネルギーをつくり出すことが困難になります。ビタミン、ミネラルが豊富な肉類や、いわし、卵、納豆、魚、チーズ、玄米やパン、その他わかめや豆腐、大根の入った汁物などのエネルギーを生み出しやすい献立で、1日を始めましょう。
運動で血行を良くする
体中の筋肉を働かす全身運動が一番ですが、時間がないことも多いはず。そんなときはどこでも簡単にできて、血行を良くする足裏のツボを刺激する運動がおすすめです。足を軽く開いて立ち、両足一緒にかかとを上げ下げする背伸び運動を行いましょう。座り仕事が多い場合は、仕事中に足元に小さいボールや空き缶などを置いて、足の裏で転がすと、足裏のツボが刺激され、全身の血行が良くなります。
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