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君は解けるか?―小学1年生用算数文章題

昨日(2022/08/13)の朝日新聞に、『算数文章題が解けない子どもたち』という本の書評が掲載されていた。

ふふん、国語の読解力をきちんとつけようとしないから算数もできないのだ、そういうことを主張する本なのだろう、と思って読み始めた。

最初に、小学1年生用の算数文章題が出ている。正答率は3年生でも3割に達せず、5年生でも7割台という「難題」とのこと。

ふんふん、本当に今の子どもの読解力はひどいんだな、と思って問題文を読む。

14人の子どもが1列に並んでいて、ことねさんの前に7人いる。ことねさんの後ろには何人いるか?

(問題文は書評に掲載されていたもので、上記の本のものそのままかは不明)

これが問題だ。読んで愕然とする。わからない!

自分は「小学1年生の算数文章題が解けない大人たち」の一人だったのか!?

自分がどんなことを思ったのかを書いてみる。

14人の子どもが1列に並んでいて――ふむふむ、横一列に14人の子どもが並んでいるのか。いったい何のためだろう、と気になるが、そこは無視する。

ことねさんの前に7人いる――えっ、「ことねさん」って誰? ここでびっくりする。「ことねさん」という固有名詞がいきなり出てくるからだ。それに、ことねさんって、大人? 先生? 子ども?

ことねさんの前に7人いる――え? ことねさんの前には14人の子どもがいるんじゃないの? どうして突然7人に? 後の7人はどこに消えたの?

ことねさんの後ろには何人いるか?――えっ、ことねさんの前には14人いたけど、後ろに誰かがいるなんてどこにも書いてなかった! どういうこと?

と、パニックになってしまった。

しばらく考えてようやく気づく。「ことねさん」というのが並んでいる子どもたち14人のうちの一人であることに。そして、子どもたちが縦1列に並んでいることに。

ことねさんの後ろには何人いるか?――ああ、7人だな、と即断する。

げっ、間違えた! 自分も含めれば、後ろにいるのは6人ではないか!

間違えたのはともかく、自己正当化癖の強い僕はここで思う。

もしかしたら、子どもたちの読解力が劣っているのではなくて、出題者の文章力が劣っているのではないか?

ではどういう出題がよかったのかを考えてみる。

ことねさんのクラスには全部で14人います。今朝は校長先生の朝礼があるので、クラスのみんなが廊下に並んでいます。ことねさんもその中にいます。ことねさんは、自分の前に何人いるか数えてみました。7人います。ことねさんは自分の後ろには何人いるのだろうと思いました。振り向いて数えてみようかと思いましたが、振り向かなくてもわかりました。さて、ことねさんの後ろには何人いたでしょう?

こんな感じ?

「廊下に並んでいる」で、縦一列ということがわかる。何のために並んでいるのかが気になる子どものために、理由も付け加えた。

ふうむ。でも、今日はクラスの誰も休んでいないとか、並んでいるときにトイレに行っている者は誰もいないとか、そういうことも書くべきだろうか。

いろいろ考えると文章がどんどん長くなっていきそうだ……。

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