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[楽曲解説]日常


おはよう。4:30だよ。今日もゴキゲン?

ある人はダンボールをマイホームと言い
ある人は家賃が払えないくらいで絶望する
また、ある人は一日中天井を見つめ
ある人は一日中家に帰らず遊び続ける

街には色々な人が居るから中身をシャッフルしたら案外核反応が起きたりするんじゃないかな。って妄想をするけど結局精神の落ち着くところに行ってしまうんだろうな。と。

どんな人でも持ってるゼロ点は美しい。打算の無い魂の収まるゼロ点。
そこに優劣など存在しなくて、有るのは全部見て全部忘れるための毎日、輪廻をゆっくり回すおれたちの生。一瞬前が消える時間の概念のみ。

これらの意味は風のみぞ知る。
ならせめて、毎日ゴキゲンに行こうじゃぁないか。

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新年度直前にこう言うこと言うのアレだけど、歳を追うごとに毎日同じような日々が続いていくんだよね。年末に振り返った時に「…?」ってなることもしばしば。

友達とよく話す"あるある"はライブの本数が少ない年は時の流れが鬼クソ早いね。って話。

イベントが無いと言うか、楽しみにしている事が少なければ少ないほどあっという間に時間が過ぎていくんだと思う。

故に諦めて諦めて流されて流されて、誰にも期待されなくなった居場所は凪が待っている。

そこはすごく綺麗なんだけど、みんなと同じになることが好きだったり、自分の可能性を信じてる人には居心地が悪いかもね。

おれのゼロ点はこの隅っこなんだ。

みんなはどんな日常を過ごして、何を考えて終わりへと歩みを進めるのだろう。

イントロ

イントロは街の音とハンドクラップから始まります。この意図はAメロの歌詞を解説してからの方が伝わりやすいかも。

なるとみたいなやつはフォント探してる時に偶然文字化けしたやつが可愛いからサムネにまでしちゃいました。ちなみにアレ「日常」って文字です。

Aメロ

空き缶と埃のアート
鼻を突くラブソング
期待以下の今日は華やかに胎動
多分このまま日々は続いて
夢は今よりも幸せとしよう

怠い朝に重なるアラーム
眩しい今日は無遠慮に進む
街は僕より忙しなく歩く
期待以下の僕はまるで幽霊だ

寝起きの気だるい感じを書いてみました。
本来ならアラームが鳴ってから起きると思うんだけど無意識化の意識と言うか、人生への漫然とした諦めみたいな概念を前提としてブチ込みたかったので、散らかった部屋と少し卑屈になってしまった性格を冒頭に持ってきて強烈なレイヤーをベースに、サビでそっとテーマが重なるようにしてます。
そっちの方がより人間ぽいでしょ?

放置された空き缶には埃が積もって、つけっぱなしのテレビからは嘘っぱちなラブソングが。
アラームが鳴って体を起こして、シャキッと動き出している街の人々が忙しなく働くのが少し羨ましい。なぜなら僕はいなくていい人だから。

あ、ひと回し目はハンドクラップと街の音、意味は幻聴です。
僕より優秀な人たちが街で手拍子しているのに混ざれない。ってイメージ。いじめじゃないんだけど緩やかに排除されて隅っこにいる。うるさいなぁ…みたいな感じ。

ふた回し目は気怠く支度をする感じを表現したかったのでヌルいビートを打ってみました。

リズムを刻むギターはEQでハイカットしてるだけです。
コードはひたすら
Dadd9 / Bm / G / A
を繰り返してます。(半音下げ)

おれも早くトびたい。


Bメロ

ただ仲良くなりたいだけなのに
一人は嫌なのに

"僕"は漫然とした寂しさを抱えているみたいで、どうやら街に混ざりたいみたい。
凪は水底では孤独なのかもしれない。

何故この言葉のチョイスかと言うと、レンくんが可愛いからです。
ひとりはやなのに…

推せる。

コードは少し変わって
G / A / A#dim / Bm / G Gm

1サビ

冴えない暮らしをなぞる
途中日々を忘れるのかな
今日も緩い時間が
心地よく流れて行く
僕を置き去り過去になる

"冴えない暮らし"
他人の日常を見ると、きっと心の奥底ではそうなりたくないな。って思うんでしょうね。
だっておれたちは全員違う星の人だから。
他の人より少しマシ、ってやんわり考え合ってしまうあたり引きで見ると塵や埃でパッとする日常なんてものは存在しないのかもね。

"緩い時間"にフォーカスして次へ。

コードは漢のスリーコード(もどき)。
シンプルis最⭐︎THE⭐︎強。
グリーンデイ見とけ。これがジャパニーズ・サムライ・コードや👨‍💻


Dadd9 / A / G

僕を過ぎ去り〜
G / Gm
↑少し女々しくなる
なんちゃらモーションだっけ?M7→m7も大好き
。ん?違う?うるせぇ。

2A

僕の日常ずっとこのまま
期待以下の今日を緩やかに流す
夢は腐って引き摺られ僕と
大事な今日を無慈悲に流動

やや突然Aメロが入ります
サビと2Aの間に中トロを入れてはみたものの曲全体の印象があまりにタルくなってしまうのでパワーでねじ込みました。この曲、もったりしているように見えて随所にパワーが潜んでいる。

2Aはいつも1番の印象増強役として機能してます。起承転結って型みたいなものがあるんだけど、それに則ると以下みたいな感じ。

今回は
1A:社会との乖離 (起)
サビ:テーマを受けて、引いた目線(承)
2A:1Aの深掘り(起の増強)

って感じ。
ちなみに2サビは(承)であり(転)への準備で、ブリッジは(転)です。ラスサビは言わずもがな。

2サビ

冴えない暮らしの途中
日々を好きでいられるのかな
今日も速い時計は
僕を置き去り過去になる

気づい人すごいけど多分分からないかな。
歌詞が少しスライドしてるんだよね。

1)冴えない暮らしをなぞる途中日々を〜
2)冴えない暮らしの途中日々を好きで〜

ゆっくり進む日常を表現したかったけど上手くいったかしら。

緩やかに過ごすゼロ点で感じるのは社会との溝。漠然とした焦りがある主人公から見た速い時計と言う比喩を用いて1サビを展開するような歌詞をブチ込んでます。

時計は一定なはずなのに状況で時間はあっという間に過ぎるし、反対にいつまでも経たないし…相対性理論ってやつですね。よく知らんけど。

おれ以外の全てに置いて行かれた世界は凪と孤独の世界だ。いつも緩い時間にすら置いて行かれてしまった。
つまりもっと時間の流れが遅くなった。
ハッと気付いた時、脳がフルスピードで回って時間が止まったように感じるよね。

そろそろテーマが見えて来ると思う。

アーメンブレイク

日本国民の殆どが知らない割に作曲者の間ではにわかに有名なアーメンブレイク。
元ネタはThe WinstonsのAmen Brotherって曲のちょっとしたドラムソロの事を言うらしいです。


正直この手法はかなり強引だと思う。
故にあまり好きではなくてだいたい歌や楽器が必ず重なってたんだけど謎の使命感に駆られてブリッジの前に入れてしまいました。
作ってる時も「…?」だし出来上がった後も「…?」だしnoteを書いてる今も「…?」なんだが一ヶ月後に大爆発を起こすかもしれないので閃きのままにいってみることにしました。
エレドラと生ドラが入り混じってやかましいことになってるね。

どっちかと言うとクッと曲を止めるより綺麗に流したいんだけどキメがないとタレるし、キメがあり過ぎるとクソダサになるジレンマ。音楽はむつかしいですな。

ブリッジ

芥の街 迷子の日々
心の風邪は薬が要るらしい
延命治療 ラブソング
空き缶と埃のアート
青空にドアが産まれた

キメ警察がアップを始めそうなカチカチパート。
ズレが違和感に変わるので超集中して録音しました。
ブレイクの所、BIG MUFFを我慢してえらい。

ここの歌詞は(転) であり「気付き」です。
孤独で対峙する気付きをつらつらと書きました。ほんとはもう1セクションあったけど長いのでギュッとまとめました。大変だった。

2サビで止まった時間はこんなことを紐づけて考えていたようです。

・芥の街 迷子の日々⇔空き缶と埃のアート
僕の部屋も世界も大差ない。仕事に翻弄される皆は意思とは裏腹に進むためまるで迷子の子供だ。

※空き缶→ビル群 芥→埃

迷子の日々
→漂う埃
→力尽き積み上がりアートへ
→共に愛すべき日常


・心の風邪は薬が要るらしい=延命治療 ラブソング
街の人は僕みたいに薬が要らないが、緩やかな世界ではやけに臭いラブソングで延命治療されている。

心の風邪→精神病


僕は居てもいい人であった。と言うより忙しない街中の人も、緩やかな時の中で漫然とした焦りを抱えた僕も同じであった。
外も中も同じ時間が流れていて、どちらが優れているとかではない。悩む必要はない。解き放たれたのだ。

そして青空にドアが産まれた

難しいよ頭で考えてること書くの!
10%伝わったら御の字やわ。今回金取るのやめた!それっぽい勉強しときます!

ちなみにレンくんここ歌う時めちゃくちゃアガってて良かった。最後の産まれたの "れったーーー!" のベストが録れて2人で大声出して喜んだ。マジで素晴らしい。

レンくんウルトラソロパート

冴えない暮らしをなぞる
ことすら忘れるのかな

すんごい推せる



「こと、すら〜」のちょっと期待を裏切る譜割り、玉置浩二イズムです。Youtube見て弾き語りしてたらこう言う遊びが無限に出来るようになった。

多分1番分かりやすい玉置浩二の概念集合体


個人的にここはブレイクダウンです。ブレイクダウンを1万回繰り返すとこのようにオケが消滅します。

浅野いにお著 おやすみぷんぷんのクライマックスあるじゃないですか。あのシーン何十回読んだ今でもとてつもない重力に見舞われるので真似しました。

僕らは忙しなく働いて、見下しあって、逃げ込んだ先の孤独でやっと世界とのイコールを見つけてもドアを開いた先には更なる孤独が待っていた。

大袈裟でも些細でも多角的に見てしまえば僕らが生きる日常は取るに足らないもので、今だって次から次へと忘れていってしまう砂上の城のような日常の上に座っている。




そう。命に意味などない。(2度目)


それに全力で抗うおれの歌


ところでさ、ここでホワイトアウトしてタイトルが出るの、すっげぇかっっこよくね…??????自分でやってて鳥肌立った。まねしていいよ。

歌詞に対して出てくる文字「日常」はヤバい。


小ビルドアップ

もう温い時計の音は聞こえなくなる


ここからはご想像にお任せします。
止まった時間は止まったままです。

死の瞬間なのか
更に大きな一歩を踏み出した瞬間なのか
9.8m/s2を感じたのか
はたまたおれの想像もつかない発想か
このあとに来るサビの意味合いが変わって来ます。

解説は以上です。

前作"もしも"の後に出来た曲でした。
今作に出てくる"僕"は当時のおれです。
少し良くなってからは沢山本を読みました。
そして全てがイコールで繋がる命の意味と言う1つの答えに辿り着きました。
僕らはダンゴムシと同じでした。
そんな生物達のエラーに興味があります。

この曲を楽しんでいただけますと幸いです。

ラストサビ

冴えない暮らしを重ね
僕ら思い出すら忘れるのかな
今日も緩い時間が
心地よく流れて行く
僕を過ぎ去り過去になる

ま〜〜〜〜〜たBIG MUFF踏んじゃったよ

ほんとアホ…!バカ…!
………好き…。

なんかポピポピしてるのは入れたかっただけで、特に理由はありません。おれの人生そんな感じ。


アウトロ

多分このまま日々は続いて
期待以下の今日が緩やかに胎動

ハッピーエンドより結論のような問いかけのような、少しわだかまりが残るような終わり方が好きでこう言う歌詞にしてしまいます。

あとこう言う"転調じゃないんだけど転調"が狂おしいほど好き。知らない間にブラ外されてたみたいな驚きがある。おれ男けど。

そろそろ「ブフォッwwwヨジハン氏wwwそれはオーガストディグリー転調と言って1976年にオーガストミニトリオと言うアシッドジャズバンドのブランコと言う曲の1:52〜始まる当時強烈な転調でしてwww名前が付いてるでござるwwwフォカヌポゥwww」みたいなオタク現れないかなって待ってるんだけどな。長く話すと疲れるけど詳しいから結構勉強になるんだよね。

ちなみにここのコードは
半音下げで
CM7 / Bm7 / Em(9) / Bm7 / Cdim
です。
dim終わり好き。

さいごに

物語の登場人物を殺してしまうのは簡単だ。
おれたち生物にとって死は忌避するべき対象なので、今呼吸して音楽を聴いてる人は全員死を知らない。故に自ずと興味が引っ張られるし、少しでも昇華できたらそれは本質の何倍にも綺麗に映る。実際おれも死と言うテーマは良く歌詞にする。

もう一度関係資料をば。


ふと死への興味が冷めて生の方に目を向けたら案外そっちの方がおれにとっては綺麗だった。

特に生きてんのか死んでんのか分からないくらいが最高に綺麗。仕事に忙殺されそうな人やジワジワ諦めて感性が死んだ人、強い流れに揺蕩う人等々の収まるべき所に精神が収まった人。

特に生命活動と最低限の社会生活のみを行い我を消失した人は穏やかで、ひとステージ上がり進化したかのように思える。

一昔前はそう言う人たちに対して 発展を邪魔するゴミ。繰り返すだけの毎日は準胃ろう。とか宣っていたけどゴミは間違いなくそんな発想ばかりしてジタバタ暴れるわがままなおれだった。しかし昔のおれは脳がヒネていてとことん口が悪い。

そういった事から察するに案外忌避すべきは死より性欲由来のしょうもない欲求なのではないかとすら思う。
煌びやかに見せたり、蹴落として得た名声も似非だ。人はもっと装飾の要らない茶色の動物みたいに分かり合える。そう気付かせてくれたのは上記の凪の人たちだ。

こうして変に良く見せようと言う気のない曲が内から出ると言うことは、おれが凪になれたのか、まだ形にする胆力があるあたり忌避すべき欲求の賜なのかまだ答えは出ない。
ただ、来月のおれの曲を楽しみにしているおれがいる。

揶揄して芥と称した街にも生活があって、例えマクロで見たって降り積もる埃でしかない。
ただその生涯はどういったものなのか
美しいと思えるのだろうか。
答えは恐らく繰り返す日常に隠されているのであろう。
da capoの先はfermataか、それともfineか。

4:30  


追伸
年明けから今まで沢山の音楽と出会いました。
リピートしまくってる曲を載せます。感謝。

イヌのご飯代にします