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[楽曲解説] もしも

もし、あの時もっと勉強していたら
もし、あの時あの娘に好きって言えたなら
もし、私の顔がもう少し綺麗なら
もう少し体が細ければ
お金があれば
もしも…もしも…


Prod by 4:30
Singer 鏡音レン
Illust Taizo
Guitar Yosuke Konya(LESTER)




"もしも" って感情は、実はみんなの内側にあって、いつまでもくっ付いていて、それでいて離れてくれない呪いだ。
でも本当は可愛い呪いだよ。正体が見えないから怖いだけ。
その感情の正体はどうしたら良いのか分からない君が、君自身に向かって不貞腐れている呪いなんだよ。少し子供っぽくてチャーミングだと思わない?

死ぬほどやり直したい過去を解呪できるのは変わろうとしている今の自分しかいない。大人になるって表現もするかな。覚悟とかそう言うのの類。
そうなったらやることは一つ。少し勇気をだして旅に出るだけ。ちょっと先行き見えなくて怖いけどね。

ただ、その旅が報われないもので、また
"もしも"が産まれたとしてもそれは普通のこと。
死ぬまでおれたちは嗚呼じゃない、コウじゃない、と譫言のように唱えるんだ。人はないものねだりの天才だからね。だから毎日おれと一緒に言おうぜ。

「おれえらい」って。

毎日仕事に行けたり、風呂に入れたりしたら言う。「おれえらい」って。部屋の掃除とか普通だと思ってる?アレ超大変だからね。そんなん毎日やるなんてスーパーヒーローだぜ。

自分を認めて生活を立て直して、それから歩いても遅くないくらいには時間はゆっくり流れている。
あせらず、ゆっくり、ゴキゲンに。
そうしたら"もしも"はどんどんポジティブな意味に変わるはず。みんなで幸せになろう。



カックイーことから始まった解説ですが、この曲8年くらい出しどころが見当たらずにあっためてた曲で、煮詰まってドロッドロになってんだよね

この曲が生まれたのは常に死ぬ事ばかり考えてた時で、出来たての頃は全部嫌で毎日死にたくても死ねない世界なんてデカい爆弾が落ちて全部消えてしまえ!って思いが溢れた曲だった。

破滅主義がモロに出てて、コードもバカみたいに混み合っていてぐちゃぐちゃだし、急に短3度転調するし、歌詞も自分を傷つけて世界を滅亡させるって最悪のものだった。繰り返し出てくる「オレンジの夜」は爆弾の光の隠喩だった。キリスト教を模してヨハンだったりアポカリプスだったり手当たり次第都合のいい言葉引っ張って来てたな。無宗教のくせに。

今はこの通りゴキゲンなので当時の歌詞を添削して"もしも"を昇華した歌詞になってます。

過去の自分の愚痴を聴いてあげるのは楽しかったな。今まで上げた過去曲であれだけなじっても尚、人はまだ感動できると信じている。だから本質を突きたいんだよね。期待してる子には厳しくなるアレ現象だね。

歌詞とメロディに注目して欲しかったからコードは極限までシンプルにしてます。生は無秩序に繰り返す事だしね。キーはEめじゃーなのかな?わかんね。

E→E♭→C#→B→A→A♭→A→E
E→E♭→C#→B→A→A♭→A→B→E

の繰り返し。

今回ギターはほぼマイクで録音してます。
たまには機材について書こうかな。

ギター
おれ:Kiesel zeus7(メインリフ)
      Fender jaguar(リフ後ろファズ、PM)

紺ちゃん:Vanzandt STV-? 

ルーティング
Hughes&kettner Triamp MK1
ORANGE PPC112
Shure SM57
Warm audio WA73
RME Babyface

キラキラした紺ちゃんの音を引っ込めさせたくなかったので正解だったと思う。ゴーナナ最高〜。

Intro〜1A

ずっと前から
過ぎ去ったのは時間だけで
僕は何も変わらずに
小さな大人になって行った
虚ろな目をした午前三時
時計の音は溶けたみたい
僕を包み込むように
温い空気を纏ってゆく

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