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5分で分かる「維新」躍進の秘密

私の選挙区(埼玉)にも、日本維新の会の候補がいた。ポスターには、候補者本人と同じ大きさで吉村洋文大阪府知事の写真が使われていた。

関東に住んでいると、維新の勢いは感じられないが、今回は議員を4倍に増やした。なぜなのか、自分なりに整理してみた。

議席4倍増

維新の躍進の数字を改めてまとめると以下の通り。

小選挙区で16議席、比例代表で25議席の合わせて41議席を獲得し、改選前からおよそ4倍の議席を獲得した。最も旋風が吹いた大阪では、立憲民主党の辻元清美氏が比例復活もせずに落選した。

反自民票の受け皿に

選挙の政策としては、「身を切る改革」というスローガンがよく知られている。同じ保守政党でも世襲議員が多く、現状をなかなか変えない自民党への批判票を独り占めしたという分析が主流だ。

韓国の中央日報は、政策が自民党より強硬だと指摘している。

政策は最も右寄り 今の時代にアピールか

読売新聞が最近総選挙出馬候補者全員を対象にアンケート調査を実施した結果、「危険感知時は敵のミサイル基地を先制的に自衛隊が破壊することできる敵基地攻撃能力保有に賛成するか」という質問に日本維新の会候補の93%が「賛成する」と答えた。自民党候補の賛成の割合の77%を大きく上回った。防衛費増額に賛成した割合(89%)も同様だった。自民党としては「平和主義」を掲げる連立与党の公明党とあえて組まなくても日本維新の会と組む「オプション」ができた。

何と言っても吉村知事の人気

そういうタカ派的政策よりも、イケメンで弁の立つ吉村知事の人気が大きかった。自民党関係者も認めている。

政党の生みの親である橋下徹氏は、こう語っている。批判だけでなく、コロナで実績をあげ、それを評価する人が多かったという。また吉村氏の敵を作らないキャラにも注目している。

批判だけ、口だけの政党ではない

「これは国政の方のね、野党、例えば立民とか共産は国政の中で一生懸命自民党を追及したりいろいろ言うんだけども、全部口ばっかりなんです。こういうことやります、ああいうことをやりますってのは全部口ばっかり。でも、維新の場合には、吉村さんが大阪府知事をやり、松井一郎さんが大阪市長をやって、現実に維新の政治ってのを大阪ではやっているんです。これは賛否両論あって、100%賛成を得られるってものではないけれども、大阪の人たちはこれが維新の政治だなということを体感しているから、今のところはこういうような評価になっている。東京では維新の政治家が東京の行政・都政とかそういうことをやっていないので、そういうことをちょっと体感させることができていないってところですよね」

比例区の戦い方に特色

小選挙区に多くの候補者を出して、比例区の得票を積み重ねたことも勝因に挙げられている。

ただ、関西中心であり全国政党になるにはまだ時間がかかりそうだ。

大阪以外の選挙区は、兵庫6区で元職が勝利したのみ。東京で25選挙区中17選挙区、神奈川で18選挙区中7選挙区など、首都圏にも積極的に候補者を立てたが及ばず、目標とする「全国政党」への飛躍に向け課題も残った。

当選者の政治手腕は未知数

もうひとつ私が付け加えるのなら、維新には世襲候補がおらず、若手が多い。当選者の平均年齢は50.3歳で、れいわを除けば、最も若い。

当然当選者の政治家としての手腕は未知数、国会で成果を挙げなければ、失望が広がり、次回選挙では議席を減らすだろう。


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